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「必要のない人いない」多様性ある社会の実現訴え 大阪で追悼集会、相模原殺傷事件4年(2020年7月26日配信『毎日新聞』)

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津久井やまゆり園事件から4年。障害者差別に抗議をする追悼集会の参加者たち=大阪市北区で2020年7月26日午後6時18分、山崎一輝撮影

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害された事件から4年を迎えた26日、関西の障害者らがJR大阪駅近くで追悼集会を開いた。難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性が薬物投与され、医師2人が嘱託殺人の疑いで逮捕された事件が明らかになったばかり。参加者は「必要のない人はいない。多様性のある社会に」などと訴えた。

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津久井やまゆり園事件から4年。障害者差別に反対しスピーチをする追悼集会の参加者=大阪市北区で2020年7月26日午後6時10分、山崎一輝撮影

 主催者の一人で全身まひの重度障害がある金満里(キムマンリ)さんは、重度障害者による「劇団態変」を主宰。「相模原から4年が過ぎたが、障害者差別に踏み込んで議論してこなかった。命を否定させないような社会になってほしい」と話した。

 生まれつき脳性まひで「態変」の演者でもある下村雅哉さん(51)は「相模原と今回の事件は『命の排除』という点で同じ。必要のない人などいない」。福祉関係の仕事を10年以上続ける馬場谷信雄さん(35)も「生産性のある人間に価値があるという社会に問題がある。多様性のある世の中になれば」と訴えた。



相模原殺傷事件4年 現場で関係者らが献花「19名の命忘れません」(2020年7月26日配信『毎日新聞』)

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障害者施設「津久井やまゆり園」で発生した殺傷事件から4年を迎え、献花台に花を供える人たち=相模原市緑区で2020年7月26日午前11時25分、滝川大貴撮影

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら19人が殺害され、26人が負傷した事件は26日、発生から4年を迎えた。園の入り口に設置された献花台には市民や関係者が訪れ、雨の中、手を合わせて犠牲者の冥福を祈った。

 献花台には「19名の命を忘れません」と書かれたメッセージカードなどが手向けられた。事件で重傷を負った尾野一矢さん(47)の父剛志(たかし)さん(76)は「4年たっても、当日から時間が止まっているような感じだ」と振り返る一方で、「裁判が終わって風化が進むのではないか。事件を伝えていく義務がある」と力を込めた。

 事件を起こした元園職員には障害者に対する差別的な考え方があった。献花した神奈川県の黒岩祐治知事は「ともに生きることを否定する差別の心は許してはならない」と強調した。

 事件は2016年7月26日に発生。横浜地裁は今年3月、殺人罪などに問われた元園職員の植松聖(さとし)死刑囚(30)に死刑判決を言い渡した。弁護人が控訴したものの、死刑囚自ら取り下げて確定した。新型コロナウイルスの影響から毎年行われてきた追悼式は中止となった。



「会いたい。顔を見たい」今も息苦しくなる母の思い 相模原殺傷事件4年(2020年7月26日配信『毎日新聞』)

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「元気にしてますか。会うことができずお母さんはさみしいよ」。母親は仏壇にある娘の遺影に語りかけ、手を合わせる=神奈川県内で2020年7月23日、木下翔太郎撮影

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者らが殺傷された事件から26日で4年。遺族にとっては、植松聖(さとし)死刑囚(30)の判決確定後、初めてとなる命日を迎えた。26歳だった娘を失った神奈川県内の女性は「考えるとつらくなる」と今も死を受け入れられずにいる。【木下翔太郎】

 「おはよう。元気にしてますか。会うことができずお母さんはさみしいよ」。7月下旬、女性は娘が好きだったお菓子やキラキラした指輪を供えた仏壇の前で手を合わせ、笑顔を向ける娘の遺影に話しかけた。

 生きていれば30歳を迎えていた。「会いたい。大人になったあなたの顔を見たい」。歳月を重ねるごとに娘への思いは強くなる。

 重い自閉症だった娘は表情や仕草などで意思を伝えてくれた。欲しい物を見つけると指でさし、体の前で手を合わせてせがんだ。事件後に外出先で娘が大好きだった商品を見かけると、せがむ姿が頭に浮かび、買って仏壇に供えるのが日課になった。

 元気で明るく周囲の人気者だった娘の存在が生きがいだった。ずっと一緒に暮らしたかったが、自身が病気で入院し、やむを得ず施設に預けた。園に面会に行くと娘が一目散に胸に飛び込んできた日を思い出す。「私は娘が大好きだったし、娘も私を大好きだったと思う」

 今も事件を思い出すと息苦しくなる。「自分が病気にならなければ……」と自身を責めてしまうこともある。事件の報道に接するたび、犠牲者の19人に娘が含まれている事実を突き付けられ、切なくなるという。

 1月に始まった植松死刑囚の公判の前は、体調が優れず言葉が出なくなることもあった。娘の命を奪った死刑囚が同じ空間にいることに恐怖を感じることもあったが「娘の思いを伝えたい。そしてせめて反省してもらえれば」と法廷に足を運び意見陳述もした。

 死刑判決は当然のことと受け止めているが、裁判の中身には納得していない。なぜ障害者を排除しようという考えを膨らませ、事件を起こしたのか。法廷にその答えはなく、娘への謝罪の言葉すら聞けなかった。判決が確定し、やるせなさと虚脱感に包まれた。

 4年という歳月は悲しみを癒やすには短く、喪失感だけが膨らんでいく。女性は目に涙をためて「娘はいつまでも生きていたかったと思う。こんなにつらい事件は二度と起きてほしくない」と苦しい思いを語る。

 娘の遺影に手を合わせる日々は続く。娘の冥福とともに「障害の有無にかかわらず少しでも生きやすい世の中になってほしい」という願いを込めて。






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Author:gogotamu2019
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