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政治的すぎた政府のコロナ対策と「東京アラート」(2020年7月27日配信『毎日新聞』)

岡本充功・衆院議員

キャプチャ
岡本充功氏=須藤孝撮影

 新型コロナウイルスの対応については政府はもっとクルーズ船の経験から学ぶべきだった。かなりの感染力があることや、接触で広がっていくこと、高齢者が重症化するが軽症者も多いことなどが明らかになっていた。特に乗組員に感染が広がった状況を詳しく見れば、コロナウイルスの特徴が一定程度分かったはずだ。

 それらの知見を生かせば、医療現場にこれだけの混乱をもたらすことなく対応できたのではないか。結果的には後手に回ったと言わざるを得ない。やはり最初の危機感が薄かったのではないか。

 我々野党は早い段階から新型インフルエンザ等対策特別措置法を適用して緊急事態宣言を出すべきだと主張してきたが、政府は適用には法改正が必要だとして宣言を出さなかった。そのため我々も国会審議に協力し、3月13日にコロナウイルスを新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象とする改正特措法が成立した。ところが実際に緊急事態宣言を出したのは4月7日で、3週間以上たっていた。

 野党から早く緊急事態宣言を出せと言われていたために、安倍晋三首相もメンツがあって早く出せなかったのかもしれない。中国の習近平国家主席の来日や東京オリンピック・パラリンピックの問題も大きかっただろう。

 緊急事態宣言の解除(5月25日)も早すぎた。もう1週間、あるいは10日間は国民に協力をお願いすべきだった。この段階ではどんな場所がリスクが高いかも分かっていたにもかかわらず、対策が中途半端だった。やるべきところはもっと重点的に資金を投入すべきだった。

意味が分からない「東京アラート」

 「東京アラート」はまさに政治的だった。意味があるというならばあのタイミングでの解除はおかしい。東京都知事選が始まることに伴って解除され、都知事選が終わるとどこかにいってしまって、数値目標もない。厚生労働省の医系技官らと話していても、疑問に思っている人は多い。

 なぜ東京アラートがあって、なぜ解除したのか、多くの都民が分からない状態は問題だ。公衆衛生の観点からすれば、誰にでも分かる基準で都民に警戒を呼びかけるべきだった。東京都知事は東京のことだけを考えるのではなく、日本の政策のキーパーソンであるという認識で対応をとってもらいたい。

 この間の政府と東京都の決定は政治的すぎた。政治的な意図によって、公衆衛生の本来とるべき政策が引っ張られたというのが私の見方だ。

医療現場は苦闘していた

 私は今も愛知県内の病院で週に1度、診療を行っている。私の勤めている病院はコロナウイルスに感染した患者も受け入れており、状況を間近で見てきた。

 その立場から言うと政府は本当に現場任せだった。治療にあたっては、個々の病院が医師や看護師の志願者を募る。応じる人がいる一方で、自分にはできないから辞めるという人もいた。




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