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コロナ下のペット探し 感染したら預け先も必要(2020年7月26日配信『日本経済新聞』)

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新型コロナウイルス感染予防のため人数や利用時間の制限を行っている保護猫カフェ「さくら」(埼玉県越谷市)

新型コロナウイルスの感染拡大で不安が広がる中、心の癒やしとしてぺットを飼いたいという人が増えている。在宅勤務や外出の自粛から自宅で過ごす時間が長くなり、外部との関わりが薄れていることから、話し相手や家族の一員として迎え入れる例も多い。捨てられた犬や猫、飼い主の事情で飼えなくなった動物を新しい里親に引き合わせる譲渡会は3密を避けるために軒並み中止になっている。しかし、SNSなどを活用したオンライン譲渡会を通じて活動を続ける団体も出てきた。


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消毒作業を行う保護猫カフェのスタッフ(埼玉県越谷市)

「トイレはしつけ済みですか?」「ワクチン接種は?」。保護猫を紹介するオンラインでの譲渡会に、視聴者からメッセージが投稿される。子猫4匹の里親を探すため譲渡会に参加した後藤貴代子さん(29)は丁寧に質問に答えながら、生後3カ月の小さな命のかわいさを伝えていく。

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里親が現れるのを待つ保護猫(埼玉県越谷市)

この「オンライン譲渡会」は、埼玉県越谷市の保護猫カフェ「さくら」のバックヤードから配信されている。緊急事態宣言下にカフェの営業を制限した際、店内の様子をライブ動画配信したところ、これが意外と好評だった。「オンラインに可能性がある」と譲渡会も写真共有アプリ「インスタグラム」の動画配信機能を利用し、開催することにした。

猫を飼いたいという娘のためライブ動画を視聴した埼玉県富士見市の新井久実さん(41)は、「実際に猫と触れあうことはできないが、わざわざ会場に足を運ばなくても参加できるのは大きなメリットだ」と言う。他の視聴者から投稿される質問も読むことができるので、「何を聞くべきか分からない初心者にとっては心強かった」とも。これまで延べ約50匹の猫がオンライン譲渡会で紹介され、うち約4割に引き取りの声がかかった。

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オンラインで行われる保護猫の譲渡会(埼玉県越谷市)

ただ、譲渡に至るまでにコロナ以前よりも多くの時間がかかってしまう。オンライン譲渡会が終わると、まず里親になりたいと希望する人からメールなどで連絡が入る。日程を調整し、猫との「お見合い」が実現するまでには数日かかってしまう。対面での譲渡会であれば、その場で縁組が成立することも多く、里親希望者の本気度もわかりやすい。「文面のみではどれくらい真剣に猫を飼いたいと思っているか判断が難しい。より慎重に進めていかなければならない」と後藤さんにとっては試行錯誤が続く。

一方、飼い主が新型コロナウイルスに感染しペットの面倒を見ることができなくなるというケースもあることから、療養期間中にペットを預けられるサービスも注目されている。

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PCR検査のため検体を採取する(千葉県山武市)

「このまま預かってくれる人が見つからなければ死んでしまうかも――」。最悪の事態を考えてしまい、涙を流したと話すのは30代女性。6月中旬、家族の新型コロナウイルス感染が発覚し、自身もPCR検査を受けたところ結果は陽性。感染が判明後すぐに入院しなければならなかったが、ペットのウサギを預けられる人を見つけられず不安な時間を過ごした。「友人に頼むのも勇気がいるし、親戚にも断られてしまった」。結果的には加入していたペット保険に無償での預かりサービスがあったことから、ウサギを預けて療養生活に集中することができた。

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千葉県山武市の預かり施設

ペット保険最大手アニコムホールディングスは、コロナに感染した飼い主からペットを一時的に預かるサービスを提供している。千葉県山武市の住宅街にある施設に運ばれてきたペットはまず最初にPCR検査を受ける。防護服に身を包んだ獣医師らが体を固定し、口の奥まで綿棒を入れて検体を採取する。検査結果は早ければ2時間ほどで判明するが、陰性が確認されるまでは隔離部屋のケージの中で待機しなければならない。サービス開始からコロナの感染が確認された例はなく、陰性となった動物は大部屋で運動をしたり、スタッフと遊んだりすることができる。

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施設に到着した動物は、窓から「レッドゾーン」の診察室に直接入れられる(千葉県山武市)

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施設は「グリーンゾーン」と「レッドゾーン」に分けられている(千葉県山武市)

犬、猫、ウサギなど、全国から運ばれてきたペットがこの施設で飼い主の回復までの時間を過ごした。同社の社員が24時間体制で世話をし、人間の病院さながら「グリーンゾーン」「レッドゾーン」を設けるなど徹底した管理をしている。

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療養中の飼い主に写真を送る(千葉県山武市)

ペットを預かる間、飼い主のケアも忘れない。写真や健康状態を報告するメールを毎日送り、飼い主が安心して療養できるようにしている。ウサギを預けた女性も「2週間弱の入院生活で毎日届くメッセージが楽しみだった」と話した。家に戻ってきた時もウサギは生き生きとしており、「ストレスなく千葉で過ごせていたのだと思う。本当に感謝しかない」と当時を振り返る。

ペットを飼うということは、一つの命に対して責任を持つということ。コロナ禍がなくてもそれは変わらないが、万一自分がコロナに感染したときのための備えも必要だ。療養中、かわいいペットの行き場がなくならないように。




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Author:gogotamu2019
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