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新型コロナ、中小企業の疲弊 先見えず、経営見切り 倒産1万件の見方も(2020年7月27日配信『共同通信』)

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産業用配管の液体や気体の流れを制御するバルブを造る志田工務所=東京都品川区で17日

 新型コロナウイルスの流行が収まらない現状に、日本経済を支える中小企業の疲弊は進むばかりだ。先々の需要の回復が見通せず、経営者は自力再建を断念したり、事業を縮小したりといった決断を迫られている。

 「M&A(企業の合併・買収)がうまくいかなければ、廃業も考えている」。産業用配管の液体や気体の流れを制御するバルブを造る志田工務所(東京都品川区)の志田弘明社長(66)はこう漏らす。現在、同業者と事業譲渡の交渉中だ。

 米中貿易摩擦の影響もあって昨年末から受注が変調。新型コロナにより設備投資を手控える動きが加わり、売上高が前年同月比で半減する月もあった。金融機関からの融資で資金ショートは回避したが、経営に見切りをつけることも視野に入れている。

 志田工務所の従業員14人の平均年齢は60歳を超える。熟練技術や産業ガス大手との取引を持つとはいえ、会社を丸ごと引き継いでもらうのは難しいという。昨年創業100年を迎えた町工場は岐路に立っている。

 西日本を中心に簡易宿所を運営するジェイホッパーズ(京都市)の飯田章仁代表取締役(55)は「売り上げの計画が立たない。しかし規模を小さくしすぎると、需要が復活したときに借入金を返す利益を生み出せなくなってしまう」と嘆く。コロナ流行前の宿泊者の85%は外国人で、今年3~5月の売上高合計は前年同期と比べて約9割落ち込んだ。

 同社は5月に京都市のゲストハウス、6月には広島市のホステルをそれぞれ閉じた。今も切り盛りする10施設については、家賃負担が大きい賃借物件の閉鎖を検討している。

 従来のように海外との往来が戻るには「2年はかかるだろう」と飯田さん。自身の体験から「外国人のバックパッカーに低価格の宿を提供したい」と開業したが、当面は国内観光客の呼び込みに注力する方針だ。

 東京商工リサーチによると、新型コロナに関連した倒産は7月22日時点で、2月からの累計で350件。7月に入って増勢がやや落ち着きを見せ、日銀の黒田東彦総裁は「倒産は今のところ非常に少ない。失業率もリーマン・ショック後に比べはるかに良い」と指摘する。

 ただ、今年上半期(1~6月)の全国の倒産件数は4001件と、微増ながら11年ぶりに前年同期を上回った。信用調査業界では、倒産件数は今後急増カーブを描き、年間では1万件に達するとの見方が出ている。

 ある信用金庫の首脳は「中小・零細企業の懐事情はまだまだ厳しい」と話す。政府が打ち出した無利子借り入れも底を突き、8月以降はさらなる資金要請が舞い込み始めるとみている。

 中小企業では、新型コロナの感染拡大前から続く「社長不足」の構造問題も深刻だ。後継者難を原因とした上半期の倒産は194件と過去最多だった。経営全般を取り仕切る社長が急死などで不在になると、たちまち事業の継続に支障を来すことが多い。

 国内企業は中小企業・小規模事業者が99%を占め、雇用の約7割を担っている。新型コロナに加えて高齢化による倒産や休廃業・解散にいかに歯止めをかけるか。暗中模索が続く。




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