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風営法の適用 越権行為ではないのか(2020年7月28日配信『信濃毎日新聞』-「社説」)

 法律の目的から外れている。非常時だからといって認めるわけにはいかない。

 新型コロナウイルスの感染が広がる「夜の街」対策として、政府が風営法に基づく警察の立ち入り調査の積極活用を打ち出した。

 すぐに警視庁が都内の繁華街でホストクラブなどを立ち入り調査し、同行した都職員が感染予防策の点検や周知をしている。大阪でも同様の調査が行われた。

 風営法は、少年の健全育成や売買春の温床となる環境の取り締まりが目的だ。感染症対策など衛生面の規定はない。

 立ち入り調査は、同法を順守しているかを確認するために限って警察職員に認められている。

 警察庁の解釈運用基準では、「犯罪捜査や他の行政目的のために行うことはできない」と明記。調査が認められない事例として、保健衛生上の見地から調理場を検査することを挙げている。

 新型コロナ対策を目的に同法を適用するのは無理がある。

 そもそも風営法は営業の自由に絡む法律でもあり、憲法が保障する基本的人権を侵害しないよう抑制的な運用が図られてきた。

 国会も1984年の法改正の際、職権の乱用を戒め、立ち入り調査はできる限り避けて報告または資料の提出で済ませるよう付帯決議をしている。

 今回の政府方針は、風営法の趣旨や運用のあり方を大きく変える事態だ。本来なら国会で議論し法を改正する必要がある。政権が独断で決めていいものではない。

 調査を受けた繁華街の関係者は「やりすぎではないか」とし、警察関係者も「越権行為と捉えられかねない」と困惑している。同様の調査が各地で繰り返されるようなことがあってはならない。

 効果にも疑問がある。

 感染対策が不十分と分かっても警察は改善命令や処分を出せない。強硬な姿勢で臨むと各店舗の協力は得られなくなり、感染者が潜ってしまうだろう。

 歌舞伎町を所管する新宿区は、感染源と名指しされ警戒感を募らせる業界を粘り強く説得し、連絡会を一緒につくって感染対策に乗りだしていた。

 約300店舗を1軒ずつ訪問して協力を求め、共同勉強会も開催。感染者が出た店舗は全従業員を検査する方針も確認した。

 歌舞伎町にも入った今回の立ち入り調査は、区と業界との地道な努力を無にする恐れがある。政治が警察権力を手前勝手に利用することは許されない。



上からの規制で解決しない 十分な補償こそ政府の責任(2020年7月28日配信『しんぶん赤旗』)

立ち入り調査 小池書記局長が批判

キャプチャ
記者会見する小池晃書記局長=27日、国会内

 日本共産党の小池晃書記局長は27日、国会内で記者会見し、新型コロナウイルス感染症対策として政府が風営法や食品衛生法などに基づく立ち入り調査を行う方針を示していることについて問われ、「上から強権的に規制することで解決する問題ではない。休業要請に従えない最大の問題は、補償がないことだ。『休業したい』『できるだけ感染を広げたくない』と思っても、補償がなければ暮らしが成り立たない」と指摘しました。

 小池氏は、風営法に基づく立ち入りについて、「風営法上はコロナ対策実施の有無を取り締まる権限はない。警察が威嚇をして休業させるという、まるで犯罪者扱いするようなやり方は許されない」と批判。「食品衛生法に基づく立ち入りは保健所の職員がやるわけで、ただでさえPCR検査やクラスター対策、感染症対策で多忙を極めている保健所の職員にやらせることにも問題がある」と述べました。

 そのうえで、小池氏は「必要なのは、きちんと補償を行うことだ。(新型コロナ対策のための)特措法を改正しなくても、補償は政治の決断でできる。本当に休業要請に従ってほしいということであれば、直ちに十分な補償を行うことが政府の責任だ」と強調しました。




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Author:gogotamu2019
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