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特養おやつ死亡事故、逆転無罪(2020年7月28日配信『共同通信』)

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長野県の特別養護老人ホームで入居者女性が死亡し、業務上過失致死罪に問われた准看護師の控訴審判決で、「無罪判決」の垂れ幕を掲げる支援者ら=28日午後、東京高裁前

 長野県安曇野市の特別養護老人ホームで2013年、入居者の女性=当時(85)=がおやつのドーナツを食べた後に死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた准看護師山口けさえ被告(60)の控訴審判決で、東京高裁(大熊一之裁判長)は28日、罰金20万円とした一審長野地裁松本支部判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。

 施設内での介護の過失を巡り、職員個人の刑事責任が問われるのは異例。介護現場では「萎縮につながる」との異論も多く、二審で判断が変わるかどうか注目されていた。

 控訴審で弁護側は、死因は脳梗塞だったと主張。被告には間食内容を確認する義務もなかったとした。







特養おやつ死亡事故、二審は准看護師に逆転無罪(2020年7月28日配信『日本経済新聞』)

 長野県安曇野市の特別養護老人ホームで入居者の女性(当時85)がおやつのドーナツを食べた後に死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた女性准看護師(60)の控訴審判決が28日、東京高裁であった。大熊一之裁判長は、罰金20万円とした一審・長野地裁松本支部判決を破棄し、無罪を言い渡した。

 高齢者施設内での介護の過失を巡り、職員個人の刑事責任が問われた異例のケースだった。介護や福祉の現場からは「刑事罰が科されれば職員の萎縮につながる」との声が多く、二審判決の判断が注目されていた。

 事故は2013年12月、老人ホーム「あずみの里」で起きた。入居女性はドーナツを食べた後に意識を失い、約1カ月後に低酸素脳症で亡くなった。准看護師は14年5月に書類送検され、同12月に在宅起訴された。

 19年3月の一審判決は「ドーナツを食べる際に注視し、窒息を防ぐ義務があった」とする検察側の主張を退ける一方で、おやつがドーナツからゼリー状のものに変更されていたのに、配膳した准看護師が引き継ぎ資料などの確認を怠ったとする過失を認定した。

 弁護側は東京高裁の審理で改めて無罪を訴え、「亡くなった女性は食べ物を飲み込む能力に問題はなかった」と強調。コンピューター断層撮影装置(CT)画像に基づき、脳梗塞など別の死因の可能性があると反論していた。

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 二審判決は、死亡した入居女性には窒息の一因となる障害は認められず、おやつの変更は主に嘔吐(おうと)を防ぐ目的だったと指摘した。引き継ぎ資料は全ての看護師が確認するような運用ではなく、罪に問われた准看護師にとっておやつの変更は「容易には知り得ない」とした。

 その上で准看護師が、ドーナツを食べて入居女性が窒息したり死亡したりする危険性を予見できた可能性は相当低かったと判断。准看護師がおやつの変更を確認せずドーナツを提供した行為について「刑法上の注意義務に反するとはいえない」と結論づけた。

 判決は准看護師が起訴されてから5年以上経過していることを踏まえ「一審判決には明らかな事実誤認があった。(死因などの)検討に時間を費やすのは相当ではなく、速やかに一審判決を破棄すべきだ」と指摘した。



ドーナツ食べた入所者死亡 准看護師に逆転無罪 東京高裁(2020年7月28日配信『NHKニュース』)

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 7年前、長野県の特別養護老人ホームでドーナツを食べた入所者が死亡し、准看護師が業務上過失致死の罪に問われた裁判で、2審の東京高等裁判所は、罰金刑とした1審の有罪判決を取り消し、無罪を言い渡しました。今回の裁判は医療や福祉に携わる全国の関係者から介護の現場が萎縮しかねないと注目されていました。

 無罪を言い渡されたのは、長野県安曇野市の特別養護老人ホームに勤める准看護師の60歳の女性です。平成25年、おやつの確認を怠り、ドーナツを食べた85歳の女性を死亡させたとして、業務上過失致死の罪で起訴されていました。

 1審の長野地方裁判所松本支部では、罰金20万円の有罪判決を言い渡され、2審で被告側は改めて無罪を主張していました。

 28日の2審の判決で、東京高等裁判所の大熊一之裁判長は「1審は被害者に対するドーナツによる窒息の危険性を具体的に検討すべきだったのにそれを見過ごしている」と指摘し、1審判決を取り消しました。

 また、施設での食品の提供について「おやつなどの間食を含めて食事は人の健康や身体活動を維持するためだけでなく、精神的な満足感や安らぎを得るために重要だ。身体的なリスクに応じて幅広くさまざまな食べ物を取ることは、人にとって必要だ」と指摘しました。

 そのうえで「おやつの形状が変更されていたことは准看護師の通常業務の中では容易に知ることができなかった。ドーナツで窒息する危険性や、死亡するとあらかじめ予測できる可能性は低く、ドーナツを提供したことが刑法上の注意義務に反するとは言えない」として無罪を言い渡しました。

 今回の裁判は准看護師が有罪とされると、介護の現場が萎縮しかねないとして、無罪を求める27万人余りの署名が東京高裁に提出されるなど、医療や福祉に携わる全国の関係者の注目を集めていました。
准看護師の女性「真実が証明された 検察は受け入れてほしい」
判決のあと、准看護師の女性と弁護団は東京 千代田区で会見を開きました。

 准看護師の女性は「真実が証明されました。6年半という長い時間、本当に支えていただきました。検察には真実を受け入れてほしいと思います」と涙を浮かべながら述べました。

 また木嶋日出夫弁護団長は「1審の誤った判断をばっさりと否定したうえで、事実関係を正しく認定し、100%評価できる内容だった。長年にわたって苦しんできた准看護師のためにも、検察は無罪判決を真摯(しんし)に受け止め、上告しないよう強く求める」と話していました。

専門家「判決 介護現場に即した視点で評価したい」

 介護の問題に詳しい淑徳大学の結城康博教授は「介護の現場は、1審の有罪判決を受けて生活の質を低下させる消極的な介護をするようになっていたが、無罪判決によって安心できる状態になり、利用者目線に立った介護ができるようになると思う」と話しています。

 そのうえで、「判決で、食事の介助には危険性が伴うが、お年寄りの生活の質や満足度も提供しなければいけないとしている点は、介護現場に即した視点であり、評価したい」と話しています。



「ドーナツで窒息死」特養あずみの里事件 介助の准看護師、逆転無罪(2020年7月28日配信『弁護士ドットコム』)

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高裁判決前の21日に会見する弁護団(2020年7月21日、東京・霞が関の厚労省記者クラブ、弁護士ドットコム撮影)

長野県安曇野市の特別養護老人ホーム「あずみの里」で2013年、入所者の女性(当時85歳)がおやつを喉に詰まらせ亡くなったとされる事件で、介助中に十分な注意を払わなかったなどとして、業務上過失致死罪に問われた准看護師の山口けさえ被告人の控訴審判決が7月28日、東京高裁であった。

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【写真】実際のドーナツ

大熊一之裁判長は7月28日、罰金20万円の有罪判決とした一審判決を破棄し、無罪を言い渡した。

判決は、女性は嚥下障害がなく、ドーナツによって窒息することは予見することはできず、山口被告人にはおやつの形態を確認すべき義務はないとして過失を否定した。

判決後、弁護団は「検察は無罪判決を真摯に受け止め、上告しないとの決定を速やかにおこない、被告を解放すべき」と声明を発表した。

●事件の争点は

一審・長野地裁松本支部は、女性の死因はドーナツを詰まらせたことによる窒息と認定。注視義務違反は認めなかったが、約1週間前に窒息防止などのため女性の間食をゼリー状のものに変更していたことなどから、間食の形態を確認して事故を防止すべき義務があったとして、求刑通り罰金20万円の有罪判決を言い渡した。

控訴審の争点は、(1)女性の死因は、ドーナツによる窒息か、(2)ゼリーではなくドーナツを配ったことが「過失」と言えるか、だった。

弁護側は、山口さんに過失はなく、死因はドーナツによる窒息ではなく脳梗塞によるものなどと主張していた。



准看護師に逆転無罪 老人ホームのおやつ事故死、東京高裁が過失否定(2020年7月28日配信『東京新聞』)

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業務上過失致死罪に問われた准看護師の控訴審判決で、「無罪判決」の垂れ幕を掲げる支援者ら=東京・霞が関の東京高裁前で

 長野県安曇野市の特別養護老人ホーム「あずみの里」で2013年、入所者の女性=当時(85)=に誤ってドーナツを食べさせて窒息死させたとして、業務上過失致死罪に問われた女性准看護師(60)の控訴審判決で、東京高裁は28日、「女性の死亡を予見できる可能性は相当に低く、刑法上の注意義務に反するとは言えない」として、罰金20万円とした一審長野地裁松本支部判決を破棄し、無罪を言い渡した。

 准看護師は女性におやつのドーナツを配膳。女性は直後に心肺停止となり、約1カ月後に死亡した。介護中の事故で個人に刑事罰を科せば「現場が萎縮しかねない」と懸念の声が上がり、判決が注目されていた。

 大熊一之裁判長は判決理由で、一審判決が「女性へのおやつは事故の6日前、ドーナツからゼリーに変更されていたのに、准看護師は引き継ぎ資料で確認をしなかった」と過失を認めた点について、「資料は介護職員間のもので、看護師が把握しておく必要があるものではない」とし、確認義務はなかったと指摘した。

 その上で、「女性は食品によっては丸のみによる誤嚥ごえんや窒息のリスクが指摘されていたとはいえ、ドーナツは入所後も食べていた通常の食品で、窒息の危険性は低かった。准看護師に事故を未然に防ぐ注意義務があったとは言えない」と結論づけた。

 准看護師は無罪を主張。控訴審で弁護側は、死因は窒息ではなく脳梗塞だったと訴えていたが、大熊裁判長は死因には踏み込まなかった。

 准看護師は13年12月、あずみの里食堂で女性にドーナツを配膳して窒息させ、低酸素脳症などで死亡させたとして、14年12月に在宅起訴された



ドーナツ食べ死亡、老人ホーム事故は「過失」なのか 准看護師に28日控訴審判決(2020年7月26日配信『産経新聞』)

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 長野県安曇野(あづみの)市の特別養護老人ホームで平成25年、ドーナツを食べた直後に意識を失い、その後死亡した入居女性=当時(85)=に十分な注意を払わなかったとして、業務上過失致死罪に問われた准看護師の控訴審判決公判が28日、東京高裁(大熊一之裁判長)で開かれる。准看護師側は無罪を主張しているが、1審は有罪判決だった。介護現場の死亡事故で施設職員個人の刑事責任が問われるのは珍しく、高裁の判断が注目される。

 事故は25年12月12日、老人ホーム「あずみの里」で起きた。おやつの時間にドーナツを食べた女性が意識を失い、約1カ月後に低酸素脳症で死亡した。

 ドーナツを配ったのは施設に勤務していた准看護師、山口けさえ被告(60)。昨年3月の1審長野地裁松本支部判決は、女性が食べ物を口に詰める傾向にあるため、事故6日前からおやつがゼリーに変更されたのに、山口被告は確認を怠ってドーナツを提供し、窒息死させたなどと認定。検察側の求刑通り罰金20万円を言い渡した。

 控訴した弁護側は、おやつの変更を確認する決まりはなかったとし、女性の異変は脳梗塞などの可能性があると主張。今年1月の控訴審初公判で検察側は控訴棄却を求め、即日結審した。

 弁護団などによると、事故当時は利用者17人に介護士1人で対応、偶然居合わせた山口被告がおやつ配りを手伝ったという。死亡女性の容体が急変したのは、山口被告が全介助が必要な別の利用者をケアしている最中だったとしている。

 厚生労働省は昨年、全国の特別養護老人ホームと老人保健施設で29年に入所者1500人以上が事故で死亡したとの調査結果を公表。別の団体の全国調査では、介護事故の原因として職員の8割近くが「現場の忙しさ・人員不足」を挙げた。弁護団は「介護の実情を離れて過失が認められれば、介護現場の萎縮が進む」と主張する。

 高齢者福祉に詳しい明治大教授の平田厚弁護士は「介護施設は少数の職員で多数の利用者をみることが多い上、給料が低く人手不足といった普遍的な課題がある。医師個人が医療事故で刑事責任を問われることはあるが、介護事故では珍しい」としている。



特養おやつ死亡事故で有罪 ドーナツで意識失う 介護現場の注意義務争点(2019年3月25日配信『産経新聞』)

 長野県安曇野市の特別養護老人ホームで平成25年、おやつのドーナツを食べた直後に意識を失い、その後死亡した入居者女性=当時(85)=の注視などを怠ったとして業務上過失致死罪に問われた准看護師、山口けさえ被告(58)に長野地裁松本支部(野沢晃一裁判長)は25日、求刑通り罰金20万円の有罪判決を言い渡した。

 介護現場でおやつの提供にどこまでの注意義務があるかが注目を集め、福祉や医療関係者を中心に、無罪を求めて約45万筆の署名が集まっていた。

 検察側は論告で、被告が誤嚥の可能性がないかを注視し、おやつも1週間前の形態変更に伴ってゼリー状のものを配膳(はいぜん)しなければならなかったと指摘していた。弁護側は「意識喪失は内因性の疾患が原因だ」と無罪を主張していた。




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