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「介護現場の萎縮を払拭」現場から安堵の声 准看護師に逆転無罪判決 特養入所者死亡(2020年7月28日配信『毎日新聞』)

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准看護師の女性に無罪が言い渡され、東京高裁前で「無罪判決」と書かれた紙を示す支援者の女性=東京都千代田区で2020年7月28日午後、金寿英撮影

 長野県安曇野市の特別養護老人ホーム「あずみの里」で入所者にドーナツを提供し、誤って飲み込ませて死亡させたとして業務上過失致死罪に問われた准看護師の女性(60)に対し、東京高裁は28日、罰金20万円とした1審・長野地裁松本支部判決(2019年3月)を破棄し、逆転無罪判決を言い渡した。大熊一之裁判長は「女性には、被害者がドーナツで窒息する危険性や死亡する結果を予見できる可能性は相当に低かった」と述べた。

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東京高裁での逆転無罪判決を受け、報告集会で支援者らに感謝の気持ちを述べる准看護師の女性=東京都千代田区で2020年7月28日午後5時5分、巽賢司撮影

 介護中に起きた入所者の死亡を巡り刑事責任が問われるのは異例。入所者に付き添ってきた施設職員が起訴される事態に、支援者らは「介護の未来が懸かっている」と位置付けてきた。28日の逆転無罪判決を「現場の萎縮を払拭(ふっしょく)してくれた」と歓迎した。

 2014年12月に起訴された准看護師の女性は、一貫して無罪を訴えてきた。判決後、東京都内で開かれた集会で、女性は「起訴されてから約5年半もの間、応援してくださりありがとうございました」と涙ながらに感謝の言葉を述べた。

 介護現場で働く職員らからは、どこでも起こり得る事態で刑事責任が追及されれば萎縮につながるとして、懸念する声が上がった。女性の無罪を求める署名は計約73万筆集まった。高裁判決は1審の有罪判決に対し、「どのようなリスクを抱えた利用者がいるか分からないから、固形の間食を提供すれば利用者の死亡が起きる可能性がある、というところまで予見可能性を広げた」と批判した。

 弁護団長の木嶋日出夫弁護士は「たまたま起こった事故で刑事責任を問われることになれば、施設側は萎縮し、全て流動食のような食事を提供せざるを得なくなる。入所者の楽しみ、尊厳が失われる。現場の不安が払拭された」と無罪判決を高く評価した。

 集会には、介護現場の関係者も多く駆けつけ、判決を評価する声を上げた。都内の特別養護老人ホームに勤務する医師の片倉和彦さんは「なぜ事故が起きたのか、介護士と看護師の情報共有の態勢が十分だったのか、検証は必要だ」としつつ、「刑事責任を問うことになれば、関係者は口をつぐむ。無罪には安堵(あんど)したが、自分の施設をどう充実させるかも考えないといけない」と話した。



ドーナツで特養入所者死亡 提供の准看護師に逆転無罪判決 東京高裁(2020年7月28日配信『毎日新聞』)

 長野県安曇野市の特別養護老人ホーム「あずみの里」で入所者にドーナツを提供し、誤って飲み込ませて死亡させたとして業務上過失致死罪に問われた准看護師の女性(60)に対し、東京高裁は28日、罰金20万円とした1審・長野地裁松本支部判決(2019年3月)を破棄し、逆転無罪判決を言い渡した。大熊一之裁判長は「女性には、入所者がドーナツで窒息する危険性や死亡する結果を予見できる可能性は相当に低かった」と述べた。

 女性は13年12月、あずみの里の食堂で同僚の介護士と共に入所者17人に間食を配膳した際、ゼリー状の間食を提供するとされていた女性入所者(当時85歳)に誤ってドーナツを提供し、窒息による低酸素脳症で死亡させたとして起訴された。女性は無罪を主張したが、1審は、女性が間食の変更を記載した引き継ぎ記録の確認を怠ってドーナツを提供したとし、有罪とした。

 これに対し、高裁の大熊裁判長は、引き継ぎ記録は介護職の情報共有のための資料であり、准看護師である女性が全てを把握しておく必要はなかったとした。また、間食の介助は基本的に介護職の業務で、配膳情報も介護職の責任者が周知すべきだったと指摘し、情報が女性に伝わっていたとは認められないとした。

 さらに、そもそも入所者は亡くなる1週間前までドーナツやおやきを食べても窒息することはなかったとし、ゼリー状の間食の提供は、感染症対策のための嘔吐(おうと)防止が主目的だったとも述べた。その上で「ドーナツを提供したことが刑法上の注意義務に反するとはいえない」と結論付けた。

 東京高検の久木元伸次席検事は「判決内容を十分に検討し、適切に対処したい」とのコメントを出した。





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