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レジ袋有料化/プラごみ削減につなげよう(2020年7月29日配信『河北新報』-「社説」)

 もう慣れたろうか。忘れて店に行って、仕方なく買い物袋を買った人もいるのではないか。

 政府が7月、スーパーやコンビニエンスストアなどの小売店が買い物客に配るプラスチック製レジ袋の有料配布を義務付ける制度を始めた。

 買い物客にマイバッグを持参させ、プラスチックごみの削減につなげる狙いがある。小売店はレジ袋1枚当たり1円以上の価格を設定する。

 有料化の背景には、プラごみによる海洋汚染の深刻化と地球温暖化がある。

 海に流れ出たレジ袋はクジラなどの海洋生物の胃の中からも見つかる。紫外線や風などの力で細かなプラごみになれば小さな魚介に取り込まれ、生態系に悪影響を与える。

 日本はプラごみを中国などアジア諸国に輸出していたが、環境汚染を問題にした国々が輸入を禁止した。このため処理できなくなったプラごみが国内に積み上がった。多くは焼却処分され、気候変動の原因となっている。

 レジ袋などから発生するプラごみの1人当たり排出量は、日本が米国に次いで2番目に多い。プラスチック循環利用協会の調べで年間約900万トンに上り、うち約400万トンは袋やペットボトルなどの使い捨てだ。

 各国では対策が進んでいる。経済産業省の資料によると、中国は2008年に有料化し、薄くて使い捨てにされやすい袋は生産や販売を禁止している。英国やフランスなども有料化したり、使用を禁止したりしている。

 日本も遅ればせながら取り組みを始めたことになるが、課題も残る。

 レジ袋はプラごみの数%とされる。加えて植物由来のバイオマス素材の配合率が25%以上の袋などは対象から外れ、クリーニング店が配る袋も有料化を免れている。プラごみ削減の視点に立てば、ほんの一歩を踏み出したにすぎない。

 政府はレジ袋にとどまらず、対象を広げた削減策が必要だろう。企業もプラスチックの使用を減らすとともに、代替品開発に努めるべきだ。

 何より求められるのは消費者の意識と行動の変化だ。

 仙台市では07年、市内のスーパーが連携してレジ袋を有料化する先進的な取り組みが始まった。有料の袋を断る人の割合は最高で85.6%になったが、近年は83%程度にとどまっている。

 小さなレジ袋を家庭で再活用している人はいるだろう。新型コロナウイルスの感染拡大で、食事のテークアウト用使い捨てプラ容器の使用量も増えている。プラスチックの利用をゼロにすることはなかなか難しいが、使う量を減らすよう心掛けることはできるはずだ。

 レジ袋有料化をきっかけにプラごみ全体を減らし、地球に優しい生活を考える機会としたい。




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Author:gogotamu2019
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