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感染震源地(エピセンター)の徹底検査を(2020年7月29日配信『しんぶん赤旗』)

志位委員長が政府に緊急申し入れ

市民的運動をよびかけ


 日本共産党の志位和夫委員長は28日、安倍晋三首相に対し、新型コロナウイルス感染症の急拡大を抑止するためにPCR等検査を大規模に拡充することなどを求める緊急の申し入れを行いました。志位氏が西村康稔経済再生担当相と会談し、首相への申し入れの内容を伝えました。会談には、田村智子政策委員長が同席しました。

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西村康稔経済再生担当相(右)に申し入れる志位和夫委員長(中央)と田村智子政策委員長=28日、内閣府

 申し入れでは、「新型コロナウイルスの感染急拡大は、きわめて憂慮すべき事態となっている。(これを)抑止するには、PCR等検査を文字通り大規模に実施し、陽性者を隔離・保護する取り組みを行う以外ない」として、次の4点を要請しています。

 (1)感染震源地(エピセンター)を明確にし、その地域の住民、事業所の在勤者の全体に対してPCR等検査を実施すること(2)地域ごとの感染状況の情報を住民に開示すること(3)医療機関、介護施設、福祉施設、保育園・幼稚園、学校など集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員等への定期的なPCR検査を行うこと(4)検査によって明らかになった陽性者を隔離・保護・治療する体制を緊急につくり上げること。

 エピセンターとは、「感染者・とくに無症状の感染者が集まり、感染が持続的に集積する地域」のことです。申し入れでは、「現在の感染拡大は、全国でいくつかのエピセンターが形成され、そこから感染が広がることによって起こっていると考えられる」とし、「政府として、全国の感染状況を分析し、感染震源地を明確にし、そこに検査能力を集中的に投入して、大規模で網羅的な検査を行い、感染拡大を抑止する」ことを緊急に求めています。

 志位氏は、西村氏との会談のなかで、「無症状の感染者のなかには感染力のある人とない人がいる。感染力のある人を見つけ出し、隔離・保護する必要がある。そのためには、感染震源地を明確にし、面で、網羅的に検査をすることがどうしても必要だ」と述べました。

 西村氏は「リスクの高い場所でできるだけ検査を広げてやったほうがいい。面がどこか、どの範囲でやるか、よく分析し、研究し、リスクの高いところを戦略的にできるだけ検査を拡充していきたい」と応じました。また、「どこで感染が広がっているかの情報開示は大事。住民にわかりやすいように開示させるようにしたい」「医療機関の経営が厳しい状況に対しても臨機応変に対応していきたい」と述べました。

 志位氏は「もはや一刻も猶予はならない。日本のPCR検査の人口比での実施数は世界で159位であり、この異常な遅れは、どんな言い訳も通用するものではない。政府が、自治体、大学、研究機関、民間の検査会社など、あらゆる検査能力を総動員し、すみやかに行動することを強く求める」と述べました。

全国の各地域から緊急の市民的行動を起こそう

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記者会見する志位和夫委員長=28日、国会内

 申し入れ後の記者会見で志位氏は、政府に実施を迫っていくと同時に、「全国の各地域――とくに感染が急拡大している地域で、『PCR検査を抜本的に増やし、安全・安心の社会をつくれ』『住民に感染状況に関する情報を詳しく開示せよ』などの切実な要求を掲げ、緊急の市民的運動を起こしていくことを呼びかけます。現在の危機的状況を、草の根からの市民の運動によって打開していきましょう」と訴えました。

 田村氏は、自民、公明、立憲民主、国民民主、社民、日本維新の会の各党に申し入れ文書を届けました。



志位委員長の会見(2020年7月29日配信『しんぶん赤旗』)

 日本共産党の志位和夫委員長は28日、西村康稔経済再生担当相との会談後行った記者会見で次のように述べました。

申し入れの要は、感染震源地(エピセンター)の網羅的・大規模な検査

 志位氏はまず、「この申し入れの一番の要は、感染震源地(エピセンター)を明確にし、そこに検査能力を集中的に投入して、網羅的・大規模な検査を行うことにあります」と強調しました。

 志位氏は、現在の感染急拡大が起きているメカニズムについて「多くの専門家が指摘しているように、全国でいくつかのエピセンター――感染者・とくに無症状の感染者が集まり、感染が持続的に集積する地域が形成され、そこから感染が広がることによって起こっています」と指摘。そこでの感染を抑止することが緊急の課題になっていると強調しました。

 自治体が明らかにしている陽性率などのデータにてらして、「東京都新宿区は、区内に感染震源地が存在することを示しています。東京の他の一連の区、大阪市、名古屋市、福岡市、さいたま市などにも感染震源地の広がりが危惧されます」と述べ、具体的な対応が急務だと強調しました。

感染力のある無症状者をどうやって見つけ出すかが感染抑止のカギ

 志位氏は、コロナ感染者の一定割合は無症状の感染者であり、無症状の感染者には、感染力がない人と感染力がある人の2種類があることが明らかになっている」と指摘。次のように述べました。

 「感染力がある無症状者を、どうやって見つけ出し、隔離・保護するか。これが感染拡大抑止のカギとなります。そのために全国民を検査することは不可能です。となれば、無症状の感染者が多数存在するエピセンターを明確にして、その地域の住民全体、事業所に勤めている方の全体を対象に網羅的な検査をやる。それ以外に方法がありません」

「感染力」の有無を調べることは、PCR検査で正確にキャッチできる

 こうした大規模で網羅的な検査を行う目的について、志位氏は、申し入れで「検査の目的」を「診断目的でなく防疫目的」「無症状者を含めて『感染力』のある人を見つけ出して隔離・保護し、感染拡大を抑止し、安全・安心の社会基盤をつくることにある」と提起したことの意味を次のように説明しました。

 「PCR検査は、診断目的で行った場合には感染者の3割程度が陽性とならない(偽陰性)という問題があります。しかし、『感染力』の有無を調べるという点では、咽頭液や唾液にウイルスが存在すればPCR検査で正確にキャッチできると言われています。検査の目的を、個々の診断ではなく、防疫――感染拡大の抑止において、PCR検査を思いきってやることが大事です」

再度の緊急事態宣言は回避を――そのためには検査の抜本拡大しかない

 記者から、このタイミングで申し入れを行った理由を聞かれた志位氏は、次のように答えました。

 「何と言っても感染の急拡大です。非常に深刻な事態だと受け止めている。すでに医療が逼迫(ひっぱく)し、このスピードで感染者が増え続ければ、早晩、医療崩壊というところまできています。それではどうやって感染拡大を抑止するのかと考えた場合、もう一回、緊急事態宣言をやってすべての行動を制限するという道を選んだら、日本の社会は大変なことになります。緊急事態宣言は回避しなければならないし、回避のためには検査の抜本的拡大しかありません。その際、検査をやみくもに広げても解決がえられないもとで、感染震源地を明確にしてそこに面的に網羅的に検査することを提案しています」

臨時国会を召集し、感染急拡大の抑止について徹底議論を

 志位氏は、記者から政府が臨時国会を開くことに消極的であることについての考えを問われると、「臨時国会は当然召集すべきです。野党間でよく話し合って求めていきたい」と表明。「この危機のもと、いま国会を開かなくてどうするのか。すぐ国会を開いて、今の感染の急拡大をどうやって抑止して安全・安心な社会をつくっていくのか、そのことの徹底的な議論、建設的な議論が必要です」と語りました。





新型コロナ対策にかんする緊急申し入れ(2020年7月29日配信『しんぶん赤旗』)

内閣総理大臣 安倍晋三殿
日本共産党幹部会委員長 志位和夫

 日本共産党の志位和夫委員長が28日、安倍晋三首相あてに届けた「新型コロナ対策にかんする緊急申し入れ」の全文は次の通りです。

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東京都江東区が同区医師会と連携して設置した新型コロナウイルスPCRセンター(同区提供)

 新型コロナウイルスの感染急拡大は、きわめて憂慮すべき事態となっている。感染の急激な拡大が、医療の逼迫(ひっぱく)、さらに医療崩壊を引き起こし、救える命が失われることが、強く懸念される。

 にもかかわらず政府が、感染拡大抑止のための実効ある方策を打ち出さず、反対に感染拡大を加速させる危険をもつ「Go To トラベル」の実施を強行するなどの姿勢をとっていることは、重大である。

 現在の感染急拡大を抑止するには、PCR等検査を文字通り大規模に実施し、陽性者を隔離・保護するとりくみを行う以外にない。

 この立場から、以下、緊急に申し入れる。

(一)
 感染震源地(エピセンター)を明確にし、その地域の住民、事業所の在勤者の全体に対して、PCR等検査を実施すること。


 現在の感染拡大は、全国でいくつかの感染震源地(エピセンター)――感染者・とくに無症状の感染者が集まり、感染が持続的に集積する地域が形成され、そこから感染が広がることによって起こっていると考えられる。

 たとえば、東京都では、新宿区は、感染者数、陽性率ともに抜きんでて高くなっており、区内に感染震源地が存在することを示している。東京の他の一連の区、大阪市、名古屋市、福岡市、さいたま市などにも感染震源地の広がりが危惧される。

 政府として、全国の感染状況を分析し、感染震源地を明確にし、そこに検査能力を集中的に投入して、大規模で網羅的な検査を行い、感染拡大を抑止するべきである。

 これらの大規模で網羅的な検査を行う目的は、診断目的でなく防疫目的であること、すなわち無症状者を含めて「感染力」のある人を見つけ出して隔離・保護し、感染拡大を抑止し、安全・安心の社会基盤をつくることにあることを明確にしてとりくむ。

(二)
 地域ごとの感染状態がどうなっているのかの情報を、住民に開示すること。


 たとえば、東京都では、新規感染者数とともに、検査数、陽性率を何らかの形で明らかにしている自治体は、14区市(新宿区、中野区、千代田区、大田区、世田谷区、足立区、台東区、墨田区、中央区、北区、品川区、杉並区、八王子市、町田市)にとどまっており、他の自治体では検査数、陽性率が明らかにされていない。

 全国をみても、20の政令市のすべてで、市内の地域ごとの検査数、陽性率が明らかにされていない。これではどこが感染震源地なのかを、住民が知ることができない。

 ニューヨークなどでは、地域ごとの感染状態が細かくわかる「感染マップ」を作成し、明らかにしている。

 感染状態の情報開示は、あらゆる感染対策の土台となるものである。

(三)
 医療機関、介護施設、福祉施設、保育園・幼稚園、学校など、集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員、出入り業者への定期的なPCR等検査を行うこと。必要におうじて、施設利用者全体を対象にした検査を行うこと。


 感染拡大にともなって、これらの施設の集団感染が全国で発生しており、それを防止することは急務である。

(四)
 検査によって明らかになった陽性者を、隔離・保護・治療する体制を、緊急につくりあげること。


 無症状・軽症の陽性者を隔離・保護するための宿泊療養施設の確保を緊急に行う。自宅待機を余儀なくされる場合には、生活物資を届け、体調管理を行う体制をつくる。

 中等症・重症のコロナ患者を受け入れる病床の確保を行う。新型コロナの影響による医療機関の減収補償は急務である。減収によって、医療従事者の待遇が悪化するなどは絶対に許されない。医療従事者の処遇改善、危険手当の支給、心身のケアのために、思い切った財政的支援を政府の責任で行うことを強く求める。

 もはや一刻も猶予はならない。日本のPCR検査の人口比での実施数は、世界で159位であり、この異常な遅れは、どんな言い訳も通用するものではない。政府が、自治体、大学、研究機関、民間の検査会社など、あらゆる検査能力を総動員し、すみやかに行動することを強く求める。

感染者の急増が見られる主な地域の陽性率

 日本共産党の志位和夫委員長が28日の「新型コロナ対策にかんする緊急申し入れ」のさいに示した「感染者の急増が見られる主な地域の陽性率」は以下のとおりです。

〈東京都〉

 ○東京都   6.5%(7月21日時点)

  ・新宿区 32.2%(7月6~12日)

  ・中野区 14.9%(7月13~18日)

  ・世田谷区13.7%(7月17~23日)

  ・千代田区12.7%(7月13~19日)

  ・足立区  9.6%(7月15~21日)

  ・台東区  9.5%(7月13~19日)

  ・墨田区  9.4%(7月21日時点)

  ・中央区  9.2%(7月12~18日)

  ・北区   8.6%(7月11~17日)

  ・品川区  7.1%(7月1~17日)

  ・大田区  4.8%(7月13~19日)

  ・杉並区  4.5%(7月13~19日)

  ・八王子市11.3%(7月13~19日)

  ・町田市  2.5%(7月14~20日)

 (注)上記14区市は、陽性率を何らかの形で明らかにしている自治体。

 (出典)東京都、足立区、墨田区、品川区、杉並区は、自治体HPに掲載された「陽性率」を転記。

   新宿区は、中曽根平和研究所の高橋義明.主任研究員の論考より。

   中野区は、区HPの「感染症発生動向調査集計結果.令和2年 第28週分」に掲載された「陽性者数」「検査数」から計算。

   世田谷区、千代田区、台東区、中央区、北区、大田区、八王子市、町田市は、自治体HPに掲載された「陽性者数」「検査数」から計算。

〈埼玉県.さいたま市〉

 ○埼玉県   3.7%(7月26日時点)

 ○さいたま市 6.3%(7月26日時点)

 (出典)埼玉県.さいたま市ともに、自治体HPに掲載された「陽性率」を転記。

〈神奈川県.横浜市.川崎市〉

 ○神奈川県  3.6%(7月27日時点)

 ○横浜市   3.7%(7月13~19日)

 ○川崎市   4.2%(7月13~19日)

 (出典)神奈川県、横浜市、川崎市ともに、自治体HPに掲載された「陽性率」を転記。

〈千葉県.千葉市〉

 ○千葉県   5.1%(7月25日時点)

 ○千葉市   5.2%(7月27時点)

 (出典)千葉県、千葉市ともに、自治体HPに掲載された「陽性率」を転記

〈愛知県.名古屋市〉

 ○愛知県   11.2%(7月20~26日)

 ○名古屋市 「算出中」(7月27日時点)

 (出典)愛知県は、県HPに掲載された「陽性者数」「検査数」から計算。

   名古屋市は、市HPより転記。

〈大阪府.大阪市.堺市〉

 ○大阪府   9.4%(7月27日時点)

 ○大阪市   9.9%(7月22日時点)

 ○堺市    6.2%(7月26日時点)

 (出典)大阪府、大阪市、堺市ともに、自治体HPに掲載された「陽性率」を転記。

〈福岡県.福岡市.北九州市〉

 ○福岡県   6.5%(7月20~26日)

 ○福岡市   10.4%(7月20~26日)

 ○北九州市  2.2%(7月27日時点)

 (出典)福岡県、北九州市は自治体HPに掲載された「陽性率」を転記。

   福岡市は、市HPに掲載された「陽性者数」「検査数」から計算。

【備考(1)】検査数.陽性率を公表していない東京都特別区(11区)の状況

  ○感染者数.患者数のみHPに掲載

   ……練馬区、豊島区、港区、渋谷区、江東区、江戸川区、葛飾区

  ○東京都HPのリンクを添付

   ……目黒区、文京区、荒川区

【備考(2)】政令市(20市)における地域ごとの感染者数.検査数.陽性率の公表について

  ○地域ごとの検査数.陽性率を公表している市はない。

  ○横浜市、千葉市は、行政区ごとの感染者数を公表。

  ○静岡市、福岡市、北九州市、熊本市は、感染者の属性欄に居住区を記載。

  ○上記以外の政令市は、地域ごとの感染者数の発表もない。





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