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室井佑月「ボラ頼りでいいのか?」(2020年7月30日配信『AERA.com』)

連載「しがみつく女」

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室井佑月・作家

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イラスト/小田原ドラゴン

 作家の室井佑月氏は、豪雨災害からの復旧について、防災担当大臣が言った言葉に疑問を呈す。
*  *  *
 7月12日の「NHK NEWS WEB」に「豪雨被災地復旧へ 感染予防と両立しボランティア確保を防災相」という記事が載っていた。

「一連の豪雨災害への対応について、武田防災担当大臣は、NHKの『日曜討論』で、新型コロナウイルスの感染が続く中、感染予防と災害対策の両立を図りながら、被災地の復旧に向け、ボランティアの確保を進めたいという考えを示しました」という。

 もちろん大臣は、今、世の中が新型コロナウイルスの感染で混乱していることは知っている。番組の中で大臣は、

「『コロナ禍』で気を抜けない状況の中で、ボランティアの出足が非常に悪く、絶対的なマンパワーが足りない」と述べたと書かれてあった。

 大臣は、「(今後の災害対策について)先手先手で打っていく」ともいっていたらしいが、個人の善意に頼り、何人集まるかもわからないボランティアに頼るということは、いちばん先手から遠いことではないのか?

 先手を打つとは、いざ災害が起きたとき、適材適所に必要な人数をその道のプロからはじまって派遣のお願いをできる、算段と予算付けだと思うけど。

 だいたい今はコロナ差別が起きているという話も聞いている。感染リスクが高い最前線で働いてくれている医療従事者やその家族が偏見の目で見られたり、東京ナンバーの車が他県へ行って傷つけられたり。そうそう、東京から転校した子がいじめに遭ったりもするそうだ。

 こういう世の中にしたのは誰なのだといいたい。日本は中間層が没落し、相対的貧困率が高水準になっている。今の世でいい思いをしているのは、安倍政権と親しい大企業やそのお友達だけだ。

 そして、世の中の多くの不満が膨らんでくると、安倍政権はマスコミを使って分断や差別をあおった。

 たとえば、貧困者vs..生活保護受給者という構図を作って生活保護の人をたたいたり、韓国人や中国人ヘイトする人を持ち上げたり。

そうそう、簡単にクビを切られてしまう非正規社員を国策として増やしたのは、自民党と懇意で当時大臣だった竹中平蔵氏である。現在は大きな派遣会社の会長だ。

 流動的に雇ったり切ったりできる労働力を得て、大企業はもうかったかもしれないが、それで多くの人はなにを得たのか? 将来の不安や、家族を持つことへの諦めや、余裕がない生活から生まれる余裕のない心でないのか?

 そんな中、まだまだおまえらボランティアで働ける、と上から目線でいわれてる。あたしたちの良心まで搾取される。

 ちなみに「Go To キャンペーン」ひとつ取り上げてみても、あたしたちの血税はめちゃくちゃに使われている。その業界の利権を得ている議員がいる。なので、こういうことは迷わず決行されていく。

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

※週刊朝日  2020年8月7日号




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Author:gogotamu2019
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