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聴覚障害の原告「人権奪われた」旧優生保護法訴訟の口頭弁論 神戸地裁(2020年7月31日配信『神戸新聞』)

 旧優生保護法(1948~96年)下で障害者らに不妊手術したのは憲法違反として、兵庫県内の被害者5人が国に損害賠償を求めた訴訟の第7回口頭弁論が30日、神戸地裁(小池明善裁判長)であった。聴覚障害のある県内在住の夫婦への本人尋問が行われ、不妊手術を受けさせられた80代の夫は「人権を奪われた。国に謝ってほしい」と手話で訴えた。

 夫は幼い頃、中耳炎が原因で聞こえなくなった。現在70代の妻と交際していた29歳の時、母に何の説明もなく病院に連れて行かれ、不妊手術を受けさせられた。術後に事実を知ったが、両親に抗議もできなかった。「不妊手術を恥ずかしいと感じ、誰にも相談できなかった。おいやめいを見てうらやましかった」と真情を吐露した。

 夫は旧優生保護法を知ったのが「2年前の全日本ろうあ連盟による実態調査の時」とし、「この法律を作ったのは間違い」と主張。妻は「どうしてこんな悲しい目に遭うのか」と憤った。

 同法を巡る訴訟では昨年5月の仙台地裁、今年6月の東京地裁で判決が出ており、いずれも原告側の請求が棄却された。



旧優生保護法訴訟「不妊手術、50年間打ち明けられず」兵庫の男性訴え 神戸地裁(2020年7月31日配信『ラジオ関西』)

 旧優生保護法(1948~1996年)のもとで不妊手術を強制されたとして、兵庫県内の男女5人が国に計5500万円の損害賠償を求めた訴訟の第7回口頭弁論が30日、神戸地裁であった。

 国の統計では全国で約2万5千人が不妊手術を受けたとされている。原告側は、国が旧優生保護法で「不良な子孫の出生の防止」を目的として進めるなか兵庫県が展開した「不幸な子どもの生まれない県民運動」(1966~1974年)などにつながったと指摘している。

 原告側は30日の口頭弁論で「旧優生保護法の趣旨は障害者は生きる値打ちがない、子孫を残してはならないとしているが、旧法が『遺伝性』とした障害が実際に遺伝に基づくものか、その発現率はどうかなど、医学的な根拠は十分に確認されていない」と反論した。そして「不妊手術を受けた本人への意思確認は当時全くなく『子どもを産み、育てる権利』を奪った。そして国は謝罪することなく単に闇に葬った」と述べた。

 この訴訟は全国9地裁で提訴され、判決としては2019年5月の仙台地裁に続いて2020年6月の東京地裁でも国家賠償請求が棄却された。仙台地裁は旧法を違憲と判断したが、 東京地裁は違憲性について触れておらず、 いずれも賠償請求については手術から20年以上が経過し賠償請求権が消滅しているとした。 現在は神戸地裁をはじめ7地裁で審理が続いている。

■ 説明なく強制不妊手術 「もう仕方ない」差別に苦しむ人生で

 聴覚障害があり、結婚直前の1968年ごろに両親に病院へ連れて行かれ、不妊手術を受けさせられた原告の80代の男性は手話を伴う尋問で「幼いころの中耳炎が原因で耳が不自由になった。もう50年、日常的な会話ができないまま筆談や簡単な身振りで生活している。当時通っていた聾学校で最低限の会話は学んだが社会ではまったく通用しなかった。この訴訟を起こすまで夫婦の間でも不妊手術のことは、恥ずかしさから話題にできなかった。訴訟を起こすことを知った親族からは『縁を切る』とまで言われた。世間の障害者への偏見はいまだにあるように思う」と振り返った。

 男性はさらに「旧優生保護法の下、行政、教育、社会生活の中で差別を受け、学校教育、就職、職場、結婚、社会生活で人としての尊厳を侵されてきた。こうした人生を送るなか『(不妊手術を受けるのは)もう仕方ない』 と思うしかなかった。意思疎通が十分でないのをいいことに、何の説明もなく病院で不妊手術を受けさせられた。国はこの法律の間違い(違憲性)を認め謝罪してほしい」と訴えた。





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