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「(焼夷弾が)直撃して即死」「(避難した)防空壕(ごう)で焼死」「一家全滅」…(2020年8月2日配信『山陽新聞』-「滴一滴」)

 戦後75年の夏、戦災資料を残していく大切さを考えさせられた。岡山市立中央図書館で今月30日まで「岡山市町別戦災調査資料」が展示されている

▼岡山空襲(1945年6月29日)の翌年10月から5カ月間にわたり、市内各地の町内会長に聞き取り調査した記録である。被災の全体像を最も生々しく記したものだが、実際に目にした人は少ないのではないか

▼大半が焦土と化した市街地で、320以上の町内会を訪ね歩いたのは1人の民俗学者だった―。岡山シティミュージアム館長補佐の飯島章仁さんに教えられて驚いた。その人の名は、岡秀俊さん。調査当時は30代前半と推測される

▼各町内会長から聞き取った内容は、原稿用紙に小さな文字でびっしりと手書きされ、1冊に製本されている。被災家屋や死傷者の数にとどまらず、町内のどこに焼夷(しょうい)弾が落ち、住民がどう避難したのかなど具体的に記されている

▼「(焼夷弾が)直撃して即死」「(避難した)防空壕(ごう)で焼死」「一家全滅」…。そうした記述を目で追っていくと、75年前の惨事が胸に迫ってくるようだ

▼貴重な1次資料を次の世代にも伝えたい。心配なのは原本の劣化が進んでいることだ。復刻を望む声は多く、飯島さんは著作権の許諾を得るため、岡さんと、調査を総括した元市立図書館長吉岡三平さんの家族を捜している。



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