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嘱託殺人 女性が「安楽死」依頼したのは1人だけ?(2020年8月1日配信『産経新聞』)

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 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の女性への嘱託殺人容疑で医師2人が逮捕された事件。出身大学や居住地が異なる2容疑者の接点は少なく、関係には謎も多い。捜査関係者によると、匿名のブログなどで「安楽死」を肯定し、女性とツイッターでやりとりしていたのは大久保愉一容疑者(42)だが、女性が対価とみられる現金を振り込んだのは山本直樹容疑者(43)名義の口座だ。大久保容疑者は山本容疑者の名前をかたっていたとみられる。

嘱託殺人 女性が「安楽死」依頼したのは1人だけ?© 産経新聞社 嘱託殺人 女性が「安楽死」依頼したのは1人だけ?
 昨年11月30日の事件当日。2人は京都市内の女性宅を偽名で訪れた。ヘルパーに席を外させると、わずか10~15分で犯行を終え、逃走したとされる。

 捜査関係者によると、「安楽死」を望む女性と平成30年末ごろからツイッターでやりとりをしていたのは、大久保容疑者。だが、1年近いやりとりの中に、山本容疑者らしき人物は登場していない。

 一方、女性は主治医に対し、ALSの治療では専門外での山本容疑者を名指しして、紹介状を書いてほしいと依頼。また、犯行への対価とみられる現金130万円も、事件直前に山本容疑者名義の口座に振り込まれていた。女性は山本容疑者に「安楽死」を依頼したつもりだった可能性もある。

嘱託殺人 女性が「安楽死」依頼したのは1人だけ?© 産経新聞社 嘱託殺人 女性が「安楽死」依頼したのは1人だけ?

■同じサークルに

大久保、山本両容疑者の接点は少ないが、大学時代の約20年前には、同じサークルに所属していた。

 平成12年ごろ、全国の医科大の学生やOBらにより、学年や大学の壁を超えて医学知識を共有しようと設立された研究サークル。当時のホームページには1期生のナンバー2の「副総括」に大久保容疑者、2期生の役員に山本容疑者の名前が掲載されている。

 当時を知る医師の一人は、サークルを「インターネットを通じた勉強会」と説明。「大久保容疑者が通っていた弘前大から表彰された、と聞いたことがある」と振り返るが、「2人がそれほど親しかったという印象はない」と話す。

 北海道釧路市出身の大久保容疑者は弘前大医学部を卒業後、厚生労働省の技官を経て、宮城県内で呼吸器内科とメンタルクリニックを経営していた。一方、関西出身の山本容疑者は東京都内の医科大に在籍したが中退、海外の大学を卒業したとされ、千葉県救急医療センターなどで勤務。東京都内に勃起不全(ED)治療の専門医院を開いた。サークルでの接点以降、2人がどのような交流を続けていたのかは、よく分かっていない。

■共著で電子書籍

元同僚らが「おとなしい」「真面目で勤務態度は普通」と口をそろえる大久保容疑者と、知人らから「医師というよりビジネスマンのようだった」「金への執着がすごかった」と評される山本容疑者。大久保容疑者は匿名でのブログやツイッターで安楽死を肯定する意見を表明していたが、山本容疑者による同様の発信は確認されていない。

 だが5年前、2人の接点は再び表面化する。大久保容疑者は27年4月30日のブログで、山本容疑者と共著の電子書籍を出版すると紹介。書籍のタイトルは、「扱いに困った高齢者を『枯らす』技術」。現在は購入できないが、紹介文には「老人を、証拠を残さず消せる方法がある。医療に紛れて人を死なせることだ」などと、今回の犯行につながるような表現が散見される。

 京都府警幹部は「2人の役割分担や動機などを解明していく」としている。




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