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新生児への給付金 難局乗り越える糧として(2020年8月4日配信『北国新聞』-「社説」)

 石川、富山各県で、国の特別定額給付金の対象外となった新生児に給付金を支給する自治体がでてきた。国民1人当たり10万円とした国の給付金は4月27日時点で住民基本台帳に記入されている人を基準とし、それ以降に生まれた新生児は含まれない。そのため、くすぶる不公平感を解消する目的で市町が独自に支給の措置をとるのは理解できる。

 支給を決めたのは、石川県では小松市をはじめ珠洲、かほく、白山各市や内灘、川北各町など、富山県では富山、南砺、射水各市などに加え、高岡市も支給に前向きという。額は5~10万円で、対象期間は4月28日~今年度末が多い。国が自治体に対して地方創生臨時交付金を財源に活用することを容認したという背景もある。

 自治体によっては既に出産祝い金などの制度を設けているところもあるが、特別定額給付金が新型コロナウイルス禍をともに耐え、乗り越える糧と位置づけるなら通常の祝い金と趣旨が違う。コロナの収束に見通しが立たないばかりか、第2波の流行が懸念され、感染防止の協力が長期化する状況では、国が給付金対象とした基準「4月27日まで」が持つ意義は薄れたといえる。対象外になった新生児に対する支給を他の自治体も検討してしかるべきだ。

 移住誘致や少子化対策として子育て施策を掲げる自治体はこんな苦難の時こそ支援を打ち出したい。未曽有の社会不安の中で誕生した新たな命を地域が応援する姿勢は生まれた子どもや家族にとっても地域社会との結びつきを強めるきっかけになろう。

 日本産婦人科感染症学会は、妊婦がより新型コロナに感染しやすい、または重症化しやすいという報告はないとしている。周囲はそれでも、おなかに赤ちゃんを宿す妊婦の感染予防に対する心理的ストレスは一般の人と格段に違うという理解が必要であり、十分な配慮を心掛けたい。厚生労働省などは里帰り出産の自粛を促しているが、病院の面会制限や退院後の生活など精神的負担の大きい妊婦にとって、より安心できる環境が優先されるべきで、実家のある地を望む場合、医療機関はできる限り受け入れてもらいたい。




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Author:gogotamu2019
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