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もうすぐ立秋…75年前の夏(2020年8月5日配信『毎日新聞』-「余録」)

 もうすぐ立秋。街角で見かける花も変わろうとしている。赤、黄、青。花の思い出は色と共に残る。「記憶色」という写真用語がある。人が脳に刻み込んだ色は実際より鮮やかになりやすいという

▲75年前の夏、花々は日本人の目にどんなふうに映ったのだろう。NHKは1987年、視聴者から体験を募り、ラジオ番組を制作した。終戦の日に咲いていた花は、ひときわ鮮烈な印象を残したに違いない

▲番組を基にした本「八月十五日 花の記憶」(和気健編)がある。広島への原爆投下後、遺体が散乱する中で見たキョウチクトウの紅。敗戦を知り、「今夜から安心して眠れる」と思った時、なぜだか駅へ行って見たコスモスの白やピンク……。記憶の中の色彩は、美しくも悲しい

▲戦争当時の日常をリアルに再現する技術が注目されている。人工知能(AI)を使い、当事者の証言を基にして昔の白黒写真に色づけをする。すると、遠い出来事や暮らしが不思議なほど身近に感じられるようになる

▲一方で、忌まわしい戦争の記憶をすり替え、戦前の価値観への回帰を目指す人たちも少なくない。書店には歴史を歪曲(わいきょく)した本が並ぶ。平和を尊ぶ気持ちをどうやって持ち続けるのか。それも、時に流されぬ心の記憶力にかかっている

▲「花の記憶」には、中国で幼子を亡くした母の投稿が載っている。夜中、列車でたどりついた沼地に小さな遺体を埋めるほかなかった。月明かりに浮かぶ白いアシの穂。その白さを忘れることができないという。



キャプチャ

内容(「MARC」データベースより)
戦争が終わった夏の日、日本各地で、旧満州で、朝鮮半島や南の島々で、人はどんな花を見たのだろうか。「鬼芥子の黒い汁」「特攻隊の青年と松葉ぼたん」「兄と見た竹煮草」「マンゴスチーンの小校」等53編。

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