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コロナ再拡大 特措法の見直しは急務だ(2020年8月8日配信『西日本新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの感染再拡大が続く中で、政府は国民に警戒を促しつつ、緊急事態宣言を再び発出する状況にはないとして、経済再生に重きを置く姿勢を示している。これに対し、独自に警戒宣言を出すなど対策に追われる自治体側には疑問や不満の声も広がっている。

 現行のコロナ対策特別措置法では可能な対策が限られ、実効性のある取り組みが難しいためだ。政府はそうした声を受け止め、早急に特措法の見直しに向けた作業に着手すべきだ。

 政府は感染拡大に伴い、風営法や食品衛生法に基づく警察や保健所の立ち入り調査を通じ、飲食店などに感染予防策の徹底を促す取り組みを進めている。特措法を補う手段として既存の他の法律を駆使する試みだ。

 ただ、なし崩し的な法解釈の拡大や営業権の侵害につながりかねないとの懸念や反発の声もある。立ち入り調査は、風営法では営業時間の順守状況や違法な接待行為の有無などを、食品衛生法では調理場の衛生管理などをチェックすることが、本来の目的とされている。

 政府は急場しのぎに流れず、本筋の取り組みとして、明確な法的根拠に基づく対策を推進すべきだ。

 特措法を巡っては既にさまざまな問題点が浮かんでいる。最も指摘が多いのは、自治体が特定の事業者らに休業要請を行う際の補償規定がなく、協力が得られないケースが少なくないことだ。財政に余裕がある自治体は独自に協力金を支払えても、小規模自治体では難しく、対応に差が生じている。休業補償と国による財政支援を法で規定すべきだという声は多い。

 緊急事態宣言が出れば休業の指示や対象事業者名の公表が可能なのに、宣言前はできない点も疑問視されている。特に緊急事態の一歩手前ともいえる現下の状況では、各地の実情に応じた対策が必要だ。市町村単位の同宣言も検討に値しよう。

 政府と東京都の間では当初、休業要請の対象について対立があった。国と自治体の権限を明確化することや、各対策を検証するために行政の意思決定過程を詳しく記録し公表することも法で義務付けるべきだろう。

 2012年に新型インフルエンザ対策を主眼に制定された特措法が本格運用されたのは今回が初めてだ。政府は今後の推移も見た上で事態収束後に法改正を行う意向を示している。

 しかし、現状では収束の時期は見通せない。対策がこのまま後手に回るようでは、収束がむしろ先になるばかりだ。法改正に向け、政府は臨時国会を直ちに召集すべきだ。その必要性も重ねて指摘したい。




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Author:gogotamu2019
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