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NHK経営計画案(2020年8月11日配信『宮崎日日新聞』-「社説」

◆「視聴者目線」が問われる◆

 NHKが2021~23年度の次期経営計画案で、BSテレビ2チャンネルとAMラジオ1チャンネルの削減を表明した。肥大化を続ける公共放送が、初めて大幅な規模縮小を打ち出した。(1)BS1、BSプレミアムを統合し、将来的にはBS4Kを含め1チャンネルにする(2)ラジオ第1、第2を1チャンネルに整理する―と明記している。

 一方、昨年10月と今年10月に受信料を実質計4・5%値下げすることなどにより、事業収入が減ると想定。番組ジャンルの重複を解消して制作費を削るなど、事業支出を3年間で計約500億円削減する方針だ。

 さらなる受信料値下げを盛り込まなかったことを除けば、高市早苗総務相が要求する業務、受信料、ガバナンス(組織統治)の「三位一体改革」に応じた内容といえる。

 しかし、ちぐはぐな印象も否めない。求められるのは、公共放送から「公共メディア」への進化を目指すNHKが、どんな役割を果たしていくのか、その将来像を描くことのはずだ。

 インターネットをはじめ、メディアを取り巻く環境が激変するデジタル時代における公共メディアとは何か。明確にした上で、業務にふさわしい受信料制度や金額、ガバナンスの具体策を検討するのが筋だろう。

 例えば、放送番組の同時配信「NHKプラス」を今春始めたように、ネット業務を拡大するなら、ネットだけで番組を視聴する人にも受信料を支払ってもらう必要がある。同時に、ネット視聴者らの声を経営に生かすという、本来のガバナンスを検討しなければならない。ところが経営計画案は、今後の世帯数減少などによる減収に対応するため、コストカットを徹底することが起点になっており、順序が逆と言わざるを得ない。

 チャンネル削減は、視聴者にとっては重大なサービス低下である。NHKは経営計画案に対する意見を公募しており、視聴者の要望を十分に取り入れて、最終的な計画をまとめてほしい。視聴者の信頼なくして、公共放送は立ち行かない。

 だが、NHKの最高意思決定機関である経営委員会は、信頼を損なう言動を重ねている。かんぽ不正の報道を巡り、総務省OBの日本郵政首脳らの抗議に過剰反応し、当時のNHK会長に厳重注意した。経営委員の番組干渉を禁じた放送法に抵触する疑いが強い。

 その経緯を記した議事録に関しても、NHKの第三者機関が情報公開すべきだと答申したのに、経営委は一部しか開示しなかった。説明責任を果たそうとしない経営委が、視聴者目線の経営計画を作れるのか。委員一人一人が問われている。





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