FC2ブログ

記事一覧

国は我々の死を待っているのか 「黒い雨」訴訟原告 怒りと落胆(2020年8月12日配信『毎日新聞』)

キャプチャ

キャプチャ1

キャプチャ2

キャプチャ3

キャプチャ4

キャプチャ5

キャプチャ6

 広島への原爆投下直後に降った「黒い雨」を援護対象区域外で浴びた住民ら84人全員が「被爆者」と認められた画期的判決から2週間。控訴断念を求める広島市と広島県を説得する形で、国が控訴に踏み切った。援護区域の拡大を視野に再検討するとはいうものの、いつ、誰が救済されるか分からない。「時間稼ぎだ」「死ぬのを待っているのか」。平均年齢が82歳を超え、被爆75年の節目での決着を期待した住民らは怒り、落胆した。

 「命には限界がある。判断を先延ばしすればそれだけ死者が出る」「国は私たちの要求を再三はねつけた。信用ならない」。午後2時から広島市中区の弁護士会館で開かれた原告団と弁護団の記者会見。爆心地から北西に約20キロの広島県上(かみ)水内(みのち)村(現広島市佐伯区)で7歳の時に黒い雨を浴びた原告団長の高野正明さん(82)=佐伯区=は身を乗り出し、強い口調で訴えた。



「黒い雨」訴訟で 広島市と広島県が控訴(2020年8月12日配信『NHKニュース』)

広島に原爆が投下された直後に放射性物質を含むいわゆる「黒い雨」を浴びて健康被害を受けたと住民たちが訴えた裁判で、被告の広島市と県は、国と協議した結果、全員を被爆者と認めた広島地方裁判所の判決を受け入れず、12日控訴しました。

原爆が投下された直後に降ったいわゆる「黒い雨」をめぐり、国による援護を受けられる区域の外にいた住民や遺族合わせて84人が健康被害を訴えた裁判で、広島地方裁判所は、先月、全員を被爆者と認め、広島市と広島県に対し、被爆者健康手帳を交付するよう命じました。

判決について、広島市の松井市長は12日記者会見し、「国の要請を受け、法律の手続きに従って控訴せざるを得なかった」と述べ、控訴期限の12日、県とともに控訴したことを明らかにしました。

広島市と県は、従来から援護を受けられる区域の拡大を国に求めてきたことから控訴に消極的な意向でしたが、裁判に補助的な立場で参加した国は「判決は科学的な知見が十分とは言えない」などとして控訴するよう要請していました。

これを受けて、広島市と県が協議した結果、国が援護区域の拡大も視野に区域の検討を行う方針を示したとして、国の要請を受け入れて控訴しました。

先月の広島地裁の判決は、国が定めた援護区域の外でも黒い雨の影響が及んだと認め、訴えた住民などからは同様の立場の人たちの救済につながる可能性があると期待されましたが、控訴によって引き続き法廷で区域の妥当性などが争われることになります。

加藤厚労相「援護区域拡大も視野に検討」

加藤厚生労働大臣は記者団に対し、控訴した理由について、「広島県、広島市、国の3者連名で控訴した。関係省庁で判決内容を精査したところ、これまでの類似の最高裁判決とも異なり、十分な科学的知見に基づいたとは言えない内容になっている」と説明しました。

一方で、広島市や広島県が求めていた援護を受けられる区域の拡大については、「被爆から75年を迎え、関係者も高齢化し、記憶も薄れつつある中で、県や市などからの強い要請を踏まえ、区域の拡大も視野に入れた再検討を行うため蓄積されてきたデータの最大限の活用など最新の科学的技術を用い、可能なかぎりの検証を行うよう事務方に指示した」と述べ、区域の拡大も視野に検討を始める考えを示しました。

また、検討の期限については「具体的なタイミングを申し上げる状況にはないが、対象者の高齢化が進んでいることも念頭に置きながら、スピード感を持って作業をしていきたい」と述べました。



「黒い雨」援護区域拡大を厚労相検討 広島市と県が地裁判決に控訴(2020年8月12日配信『毎日新聞』)

キャプチャ
「黒い雨訴訟」の控訴後、記者会見する松井一実・広島市長=広島市中区で2020年8月12日午前11時1分、北村隆夫撮影

 原爆投下後に降った「黒い雨」を国の援護対象区域外で浴びた住民ら84人全員を被爆者と認め、被爆者健康手帳を交付するよう命じた広島地裁判決について、広島市と広島県は12日、広島高裁に控訴した。市と県は住民の早期救済のため控訴を見送りたいとの意向を示していたが、訴訟の実質的な被告となっている国が控訴を求める一方、援護区域の拡大も視野に従来の政府判断を再検討することを約束したため、控訴を受け入れた。

 午前11時から市役所で記者会見した松井一実市長は昨日、加藤勝信厚生労働相と直接協議したことを明らかにし「援護区域の拡大を含めた再検討の姿勢が示されたことを受けて判断した」と述べた。一方、加藤厚労相は厚労省で記者団に「被爆から75年を迎え、関係者も高齢化しさらなる科学的知見の調査の糸口となる記憶も薄れつつある状況にある」とした上で「黒い雨地域の拡大も視野に入れた再検討を行うため、蓄積されてきたデータの最大限の活用など、最新の科学的技術を用いて可能な限りの検証を行う」と述べた。

 黒い雨を巡っては、国が1976年、原爆投下直後に爆心地の北西部に大雨が降ったとする気象台の調査を基に援護区域を指定。区域内にいた人は被爆者に準じて無料の健康診断が受けられ、一定の病気になれば被爆者健康手帳を受け取れるようになった。

 しかし、区域外でも雨を浴びたという住民は多く、市と県は2008年に3万人超を対象に実施した調査の結果を根拠に、国に援護区域拡大を求めた。これに対して国は「科学的根拠がない」として区域を見直さず、15年11月、国の線引きはおかしいなどとして、区域外にいた住民らが手帳交付申請を却下した市と県を相手取って提訴した。市と県は国からの法定受託事務で手帳の交付審査を担っているが、被爆者援護法を所管する厚労省の方針に従っており、国が実質的な被告となって住民と争っていた。




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ