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接触確認アプリ 安心感高める運用目指せ(2020年8月12日配信『山陽新聞』-「社説」

 新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、政府が6月から運用を始めたスマートフォン向け接触確認アプリ「COCOA(ココア)」のダウンロード数が1200万件を超えた。利用者は人口の1割程度にとどまり、さらなる普及を図るには安心感を高める運用が欠かせない。

 アプリは希望者がダウンロードして使う。スマホに備わる近距離無線通信を活用し、スマホ同士が1メートル以内の距離に15分以上とどまっていた場合、それぞれのスマホに記録が残る。後日、コロナの陽性判定を受けた利用者が保健所から発行された処理番号を登録すると、接触した相手のスマホに通知が届く仕組みだ。陽性登録は任意で、これまでに208件の登録があった。

 過去2週間に、自分が陽性者と濃厚接触した可能性があると分かるのが最大の特徴だ。日本大の研究グループの試算では、人口の約半数がアプリを利用し、通知を受けた人が外出頻度を半分程度に抑えれば、全く使用しなかった場合と比べて感染の拡大が半減するという。

 同様のアプリは各国政府も導入を進めているものの、個人情報流出やプライバシー侵害などへの懸念から先進国では普及が進んでいない。日本でも漠然と不安を抱く人は少なくないだろう。

 アプリで取得する情報の種類や管理の仕方は国によって異なり、多くの個人情報を国が集めて一括管理する中国やインドなどの例もある。一方、日本版はプライバシー保護に強く配慮しているというのが日本政府の説明だ。暗号化されてスマホに残った接触記録は2週間後に消去され、行政機関が個人情報を収集することはないとしている。

 政府や自治体はお盆休みの帰省などに合わせ、アプリを積極的に活用するよう呼び掛けているが、国民の不安を払拭(ふっしょく)するには、アプリの特徴を積極的に周知する努力が不足している。安心感を高めるためには、情報管理が適切に行われているかを第三者がチェックし、定期的に公表する仕組みも必要ではないか。

 イベントなどの主催者が参加者にアプリの導入を促したり、企業が社員の持つ社有スマホにアプリを導入したりする動きも出ている。感染抑止と経済活動を両立していくために、アプリが重要な役割を果たす可能性はある。

 政府はアプリを利用すれば「検査の受診など保健所のサポートを早く受けられる」と説明している。山梨県は、アプリの通知を受けた場合は無症状でもPCR検査を受けられるという独自の基準を設けており、今月4日までに3人が検査を受け、全員陰性だったと公表した。

 通知を受けたら迅速に検査が受けられるなら、アプリを利用する動機付けにもなろう。アプリの普及に合わせ、速やかにPCR検査が受けられるよう各地域の検査態勢の拡充も急いでもらいたい。




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Author:gogotamu2019
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