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【新型コロナ 修学旅行】県内にも目を向けよう(2020年8月14日配信『福島民報』-「論説」)

 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、県内の中学校は秋に延期した修学旅行など教育旅行の訪問先選定に悩んでいる。これまで目立っていた首都圏や京都、大阪などの関西圏は、感染者急増で回避の動きが出ている。感染防止を第一に考えれば、これまでの発想を切り替えたい。県内や隣県に目を向け、新たな修学旅行の形を作ってみてはどうか。

 県内の中学校の多くは春に修学旅行を予定していたが、政府の緊急事態宣言を受けて9月以降への延期を余儀なくされた。再び感染が拡大している。訪問先を県内や隣県にすれば、感染防止に加え、移動時間が短縮されるため、より多くの名所や学習施設を回ることが可能となる。密度の濃い、充実した学習ができるだろう。

 県内には、ぜひ中学生に訪れてほしい地域がいくつもある。その一つが東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から10年目を迎えた浜通り地方だ。来月20日、双葉町に県のアーカイブ拠点施設「東日本大震災・原子力災害伝承館」が開館する。館内で映し出される映像や模型の展示は、将来にわたって伝えていきたい震災と原発事故の記録ばかりだ。

 隣接地には国と県が復興祈念公園を整備しており、開館に合わせて一部の供用を始める。エリアを広げれば南相馬市のロボットテストフィールドや楢葉、広野の両町にまたがるJヴィレッジも選択肢となるだろう。組み合わせによって1泊2日程度の修学旅行は十分に対応できる施設がそろっている。

 さらに、自分が住む地元に理解を深める修学旅行があってもよいのではないか。新地町の中学校は栃木県の日光・那須を訪問する「県外旅行」と、町内の史跡や企業などを見学する「地域学習」の2コースを設けた。生徒や保護者の希望に応じて選ぶという。「地域学習」は、地元にどんな歴史があって、どんな産業が張り付いているのかを体験しながら知る絶好の機会となるだろう。

 生徒と保護者の意向調査を踏まえて中止を決めた中学校もある。ある中学校は生徒の半数近くが中止を求めたという。修学旅行に行きたい気持ちを抑え、冷静に新型コロナウイルスと向き合う子どもたちを思うと胸が痛くなる。修学旅行を実施する場合でも、感染防止策を徹底させるのは当然のことと言える。政府が提案する新しい生活様式と同様、新しい修学旅行の在り方をさまざまな角度から模索したい。




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