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コロナの時代 スポーツ観戦 多様な楽しみ方の模索を(2020年8月20日配信『毎日新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの影響でスポーツ観戦のあり方が様変わりした。プロ野球やサッカーJリーグは観客数を制限して開催している。感染は収まる気配がなく、以前のように大観衆を集めるにはまだ時間がかかる。

 そんな中、世界各地で新たな取り組みが始まっている。

 サッカーのスペインリーグでは、無観客の試合に観客入りのバーチャル映像と音声を重ね、テレビやインターネットで中継が行われた。臨場感を伝えるためだ。

 伝統の自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」も、8月末の開幕に先立ち、7月にバーチャルでのレースが開かれた。

 世界のトップ選手が自宅や練習場に設置されたローラーの上で自転車をこぐ。そのデータに連動して、選手がバーチャル風景の中を駆け抜けるように見せる仮想空間のレースだ。沿道には広告も掲示され、映像が有料のスポーツ専門チャンネルで流された。

 日本では、ファンが遠隔地からでもオンラインで応援に参加できるシステムが登場した。

 楽器メーカーのヤマハは、スマートフォンの「歓声」「拍手」などのボタンを押して、リモート環境でも応援できるアプリを開発した。仮想の応援がスタジアムに鳴り響く仕組みで、Jリーグやプロ野球で導入が始まっている。

 最新技術を活用すれば、競技場に行けない障害者や高齢者にも楽しみを提供できる。外国語で発信すれば、海外のファンも増える。ビジネスの機会も広がるはずだ。

 ただし、バーチャル頼みの過剰演出は禁物だろう。生身の人間が競い合うというスポーツの本質を損なわないよう、仮想現実の技術使用には慎重さが求められる。

 生で聞くプレーの音や選手と観客との一体感、日光や風、芝生の匂いなどは、競技の現場でしか味わえない醍醐味(だいごみ)でもある。

 残念ながら、今はそうした雰囲気に触れる機会が少ない。多くの試合が中止や延期となり、入場料収入の減少で経営難のチームが出てくるかもしれない。そんな苦しい時代を乗り切る工夫が必要だ。

 感染終息を待っているだけでは見通しが立たない。スポーツの運営側はあらゆる知恵を絞り、多様な楽しみ方を模索してほしい。




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Author:gogotamu2019
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