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接触アプリ通知来ても「検査受けられず」8割 本社調査(2020年8月22日配信『日本経済新聞』)

新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性を知らせる国の接触確認アプリを巡り、通知が来て保健所に連絡した人の8割が検査を受けられなかったことが日本経済新聞の調査で分かった。利用者の不満を受け、国は21日に希望者全員が無料で検査を受けられるよう決めたが、検査を広げるには課題も残る。

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日経新聞は21~22日、日経電子版の会員にアプリ利用状況をアンケートし、1万3014人が回答した。ダウンロードした人は76%の9839人で、感染者と接触した可能性があると通知が届いた人は120人だった。

このうち検査を受けるため保健所に連絡したのは30人。8割は検査を受けられず、受けられたのは17%の5人だった。

受けられなかった人に状況を記入してもらったところ、「熱はないが喉が痛いので検査をしたいと保健所に伝えたが『検討する』と言われた後はなしのつぶて。民間クリニックで2万円を自腹で払って検査を受け、陰性と判明した」との回答があった。自費で検査を受けた人は他にもいた。

別の人は「保健所に連絡したが『アプリの通知は注意を促す目的』と言われ、接触の事実をあまり重要視していないように思えた」と記入した。「何も対処してもらえず不安をあおるだけのアプリ」との批判もあった。

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アプリは当初、通知が来た人が必ず検査を受けられるわけではなかった。国は「通知を受け取った人にも様々な人がいる。症状の有無など各自の状況に応じて必要が認められれば受けられる」(厚生労働省の担当者)との立場だった。

通知が届いても、症状がなく、家族や知人に感染者がいなければ「14日間は体調の変化に気をつけてください」と表示されるだけ。無症状者への検査拡大に消極的な国の姿勢を映していた。

中途半端に検査対象を絞った結果、保健所の対応は場当たり的になった。東京都新宿区や葛飾区の保健所は、いったん検査が不要と判断しても、本人が不安を訴えて検査を強く希望する場合は応じていたという。

地域差もあった。山梨県は独自に通知が届いた人全員が検査を受けられるようにし、1カ月半で約50人を検査した。

利用者の不満を受け、厚労省は21日、通知が届けば希望者全員が検査を受けられるようにすると発表した。専用相談窓口で検査できる医療機関などを案内するという。

ただ足元の感染再拡大で保健所の業務は再び逼迫しており、迅速に検査が受けられるかは不透明だ。アンケートでは「通知が届いた後、保健所に電話をしたがつながらなかった」との回答が5件あった。神奈川県内の保健所の担当者は「通知が来た人からの問い合わせが今後殺到するようなら人手が足りるか不安は拭えない」と話す。

アプリを巡っては、利用者の感染が判明して日にちがたってから周囲の人に通知が届き、「もっと早く知りたかった」との声も出ている。アンケートでも感染者との接触日から10日以上たってから通知が届いたケースが目立った。

保健所が通知を出す際に必要な情報をシステムに入力するのが遅れたためなどとみられる。検査拡大を同省が求めても保健所の態勢が不十分なままでは実効性を欠く。

国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は「接触確認アプリは感染拡大防止に役立つ有力なツールだが、利用者に不満が残るようでは普及につながらない。満足度を上げる仕組みが必要だ」と話す。




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