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証人買収罪「第一号が国会議員とは」 反社想定…法整備で立件可能に(2020年8月22日配信『産経新聞』)

  虚偽証言を依頼して現金供与を持ち掛けたなどとして、秋元司容疑者らの逮捕容疑に適用された「証人等買収」は、テロ等準備罪とともに平成29年に施行された改正組織犯罪処罰法に新たに盛り込まれた。秋元容疑者らが初めての立件とみられる。ある法務省幹部は「日本は司法妨害に対して無頓着すぎたので、いいきっかけになった」と今回の事件の意義を強調する。

 平成12年に日本が署名した「国際組織犯罪防止条約」の締結に必要な法整備の一環で、証人等買収という犯罪類型が設けられた。同条約では、締結国同士の捜査当局が、外交ルートを介さず情報交換するなど「捜査共助」がしやすくなるといったメリットがある。締結国には証言や証拠提出に関して、暴行や脅迫、不当な利益供与などの司法制度に対する妨害行為を取り締まる措置を設けることが求められる。

 当時、日本では証人威迫罪や虚証を唆(そそのか)す偽証教唆罪などの犯罪類型はあったが、現金など不当な利益提供を取り締まる法律はなかった。

 そこで新設された証人等買収罪で、刑事事件で証言をしないことや虚偽証言、証拠偽造などを求め、対価として現金などの利益を提供したり、申し出たりすることを禁じた。罰則は2年以下の懲役または30万円以下の罰金。さらに、組織犯罪に対して行われた場合は刑が重くなり、5年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる。

 秋元容疑者と、支援者の淡路明人ら3容疑者は、秋元容疑者の公判で、IR汚職事件の贈賄側である紺野昌彦被告らが捜査段階で供述した内容を覆すよう依頼し、見返りに現金を渡そうとしたとして立件された。まさに証人等買収罪が対象とする現金提供による司法妨害といえる。

 裁判員裁判の導入で、法廷での証言や供述に重点を置く「公判中心主義」が進んだことにより、捜査段階の取り調べ以上に、法廷での証言などが重視されている。法務省幹部はこうした現状を指摘し、「米国など海外では司法妨害を厳しく取り締まっているように、国際的な視点でも今回の事件は非常に悪質だ」と強調した。検察幹部は「海外ではマフィア、国内では反社会勢力などの組織犯罪を想定していたが、まさか初適用事件が現職の国会議員になるとは思わなかった」と話した。(山本浩輔、宮野佳幸、吉原実)




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