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秋元議員再逮捕に関する論説(2020年8月23日)

秋元議員逮捕 職責を全うできるのか(2020年8月23日配信『北海道新聞』-「社説」)

 カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件に絡み、収賄罪で起訴された衆院議員秋元司容疑者=自民党を離党=が再び逮捕された。

 容疑は支援者らと共謀し、贈賄罪で起訴された中国企業側に裁判で虚偽の証言をするよう依頼、報酬として計3千万円の現金提供を持ち掛けたとする組織犯罪処罰法違反(証人等買収)の疑いだ。

 安倍政権が成長戦略の目玉としたIR事業を巡る贈収賄事件は、もともと指摘されていた事業の妥当性に対する疑念を膨らませた。

 さらに、真相究明の場である裁判の公正性を著しく損ねる証人買収など決してあってはならない。

 保釈され議員活動を再開した後に裁判に向けた不正工作を働いたとすれば、国民の政治不信を一層高める背信行為だろう。

 秋元議員は逮捕前に関与を否定していた。解明は今後の捜査に委ねられるが、このまま議員の職責を全うできるのか疑問だ。

 秋元議員は収賄容疑で2回逮捕され、今年2月に保釈された。

 その時の記者会見で贈賄側との関係について「特定の事業者に便宜を図ったことは断じてない」と起訴内容を全面的に否定、無罪を主張する考えを明らかにした。

 だが野党が要求した証人喚問は実現せず、国会で事実解明がなされる機会は訪れないままだった。

 潔白を訴えるなら、進んで国会招致に応じる姿勢を示すのが議員としての責務だったはずだ。

 自民党の対応も見過ごせない。

 安倍晋三首相(党総裁)ら幹部が本人に説明を尽くすよう促すこともせず、離党で政権の責任の所在を曖昧にする。今週初公判が行われる河井克行、河井案里議員夫妻の公選法違反事件と同じ構図だ。

 IR事業はギャンブル依存症患者の増加や反社会勢力の増長による治安悪化の懸念が指摘され、観光や地域振興の方策としてはそもそも問題が多すぎる。

 事件で負のイメージは増幅された。新型コロナウイルスの感染拡大により業界には逆風が吹き、日本進出の候補に挙がっていた米大手業者は撤退を表明した。

 政府は、当初1月としていた国内選定基準の基本方針決定の時期すら決められずにいる。

 汚職事件とコロナ禍は、不透明で弊害の大きいIR事業と手を切る機会だと捉える必要がある。

 政府はコロナ後を見据え、豊かな自然や伝統文化など日本の資源を生かした観光振興の在り方を考えることに今から注力すべきだ。



秋元議員再逮捕 偽証依頼 国民に対する裏切り(2020年8月23日配信『愛媛新聞』-「社説」)

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件に絡み、東京地検特捜部は証人等買収の疑いで、自民党を離党した衆院議員の秋元司容疑者を再逮捕した。贈賄罪で起訴された中国企業側に裁判でうその証言をするよう依頼し、報酬を持ちかけた疑いがあるという。

 秋元議員は昨年12月~今年1月、IR汚職の収賄容疑で2回逮捕され、2月の保釈後に議員活動を再開していた。再逮捕容疑が事実であれば職務に絡む不正を隠すため、司法を欺こうとしたと思われても仕方がない。汚職事件の無罪を訴える一方で国民に対する重大な裏切り行為である。特捜部には徹底捜査で真相を解明してもらいたい。

 発表などによると、秋元議員は先に証人等買収容疑で逮捕された会社役員2人と共謀。保釈後、贈賄側の中国企業「500ドットコム」元顧問に偽証を依頼し、報酬として現金3千万円の提供を申し入れたとされる。

 関係者によると、会社役員側は「秋元議員に頼まれた」と供述。元顧問は現金を預かったが後日、返却したという。秋元議員は逮捕前の取材で関与を否定しているが、自身の審理を有利に進めるため、買収を仕掛けた疑惑が浮かび上がる。

 秋元議員はIR事業を担当する内閣府副大臣を務めていた2017年から18年にかけ、カジノ参入に関心を寄せていた中国企業側から計760万円相当の賄賂を受け取ったとして収賄罪で起訴された。保釈後の会見では無実を一方的に主張したものの、肝心の中国企業との接触の経緯や状況には詳しく触れず多くの疑問点を残していた。

 その上で、保釈中に事件の隠蔽(いんぺい)工作を図ったとして再逮捕されたことは極めて重い。政治家としての信頼は容易には回復せず、議員の職にとどまれる余地はない。けじめをつけて速やかに辞すべきである。

 傍観してきた自民党の姿勢も厳しく問われるべきだ。秋元議員は離党し無所属の身だが、二階俊博幹事長を領袖(りょうしゅう)とする派閥に特別会員として名を連ね、会合にも参加している。これでは政権中枢が事件をさほど問題視していないかのようにさえ映る。

 安倍晋三首相は以前、「副大臣に任命した者として事態を重く受け止めている」と述べたが自ら責任を取ることはなく、実態解明に向けた指導力を発揮することもなかった。汚職事件は内閣の不正が問われているにもかかわらず、政府も自民も国民の不信感を解消する努力が見えないことは看過できない。

 贈賄側の中国企業に絡んでは他の国会議員も金品を受け取ったり、中国旅行に同行したりしていたことが判明しているが、本人から説明責任が果たされていない。司法判断とは別に、国会には事件や疑惑を解明する責務がある。不正利権の温床となる疑いが拭えないカジノ事業をこのまま推進してはならず、この際、必要性についてもゼロから検証し直すよう求めたい。



秋元議員再逮捕 IR事業見直すべきだ(2020年8月23日配信『琉球新報』-「社説」)

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で、裁判を控えた国会議員が不正工作を働いた疑いで再び逮捕されるという前代未聞の事態が起きた。

 IR事業への参入を目指す中国企業「500ドットコム」側から賄賂を受け取ったとして、2019年12月に収賄容疑で逮捕された秋元司衆院議員が、保釈後の今年6、7月、すでに贈賄罪で起訴された中国企業の元顧問に、裁判でうその証言をするよう依頼し、報酬3千万円の提供を申し込んだ疑いがあるとされる。

 事実であれば司法手続きをねじ曲げる悪質な行為で、国民に対する裏切りだ。保釈中の国会議員が再逮捕されるというのも極めて異例だ。直ちに議員辞職すべきだ。

 安倍政権はIR事業を「観光立国」の目玉と位置付けていた。しかし新型コロナ禍で観光立国そのものが揺らいでいる。ギャンブル依存症や治安の悪化に対する懸念も払拭(ふっしょく)されていない。安倍晋三首相は一日も早く国会を開いて汚職の温床となったIR事業を見直すべきだ。

 国際観光産業振興議員連盟(IR議連)に所属していた秋元容疑者は、17~18年にIR事業を担当する内閣府副大臣を務め、日本でのIR事業推進を積極的に発信していた。17年8月に500ドットコムが主催して那覇市内で開いたシンポジウムでは基調講演し、「米軍基地返還後の土地をIRで開発すると、地元経済を考えても高いポテンシャルを持っている」と提起している。

 議員会館での現金提供や、北海道留寿都村への旅費提供など約760万円相当の賄賂の授受があったとして収賄容疑で逮捕されたが、秋元容疑者は一貫して無罪を主張し、今年2月に保釈された後は議員活動を再開していた。

 IR整備法はカジノ営業を免許制とし、事業者に対し利用客への金銭貸し付けも認めている。運営企業に選ばれれば巨大な利益が見込まれ、米国、中国などの海外企業は、未開拓市場である日本に早くから熱い視線を注いできた。そうした企業が事業推進に関わる政治家に近づくことは容易に予想された。

 海外のカジノ事業者が主催するシンポジウムで基調講演を行い、事業者を後押しするかのような印象を与えた秋元容疑者がIR事業を担当する副大臣にふさわしかっただろうか。

 秋元容疑者は逮捕を機に自民党を離党したものの、党二階派には特別会員として名を連ね、二階派の会合に参加していた。派閥の代表の二階俊博幹事長の責任も大きい。何より副大臣に任命した安倍首相の責任も厳しく問われる。

 無罪を主張しながら証人買収を図ったのであれば、公正な裁判の妨害だ。秋元容疑者本人がどこまで関与していたか、3千万円はどこから出たか、IR汚職事件の全容と共に徹底解明する必要がある。






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