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九大生の40%「孤独」 続くオンライン講義、疲労や不眠訴え 学内調査(2020年8月23日配信『毎日新聞』)

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通常の講義再開時期が見通せない九州大の伊都キャンパス=福岡市西区で2020年8月23日午後4時55分、津村豊和撮影

 新型コロナウイルス感染拡大防止のためすべての講義を原則としてオンラインで実施している九州大(福岡市)の学内調査で、15%の学生が1カ月間友人と直接会話をしていないと回答した。孤独感を感じている学生が40%に上るほか、「よく眠れない」など体調不良を訴える声も目立ち、感染拡大の長期化が学生の心身に大きな影響を与えている実態が浮き彫りになった。

 調査は6月上旬、大学院生や留学生を含む全学生約1万8000人を対象にメールで実施し、約3割の5888人から回答を得た。それによると、「この1カ月、友人と直接話をしていますか」との問いに、869人(15%)が「全くしない」、1248人(21%)が「あまりしない」と回答。また、教員と1カ月直接話をしていない学生は「全くしない」と「あまりしない」を合わせ58%に達した。

 調査では心身の状態についても質問。「気分が落ち込んでいるか」との問いに「あてはまる」「ややあてはまる」との回答が計42%あった。「孤独感や孤立感を感じるか」との問いに対しても同様に計40%が「あてはまる」「ややあてはまる」と答えた。

 「最近の体の調子」については44%が「問題がある」と回答。具体的内容(複数回答)は「疲れる、根気がない」が全回答者の28%で最も多く、次いで「寝つきが悪い、眠りが浅い、よく眠れない」(24%)、「いらいらする」(9%)と続いた。2019年10月に実施した全学生対象の同様の調査と比べ「寝つきが悪い」は約6ポイント、「いらいらする」は約4ポイントそれぞれ増加した。

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通常の講義再開時期が見通せない九州大の伊都キャンパス=福岡市西区で2020年8月23日午後5時、津村豊和撮影

 九大は5月の前期スタート時にはすべての講義をオンラインで実施し、学内への立ち入りやサークル活動などを制限してきた。入学式もなかった1年生はいまだキャンパス経験がなく、調査では1年生の約4割が福岡県外でオンライン授業を受講していることも判明。県外出身者の多くが入学後も自宅で暮らしている。

 九大キャンパスライフ・健康支援センターの丸山徹センター長は、多くの学生が体調不良を訴えていることについて「課外活動など今まで楽しめていたことができなくなり、1年生は大学生になった実感が持てなかったことが体の不調として表れている」と分析。九大は現在、夏季休暇中で、10月から始まる後期の講義形式をどうするかは未定としている。【谷由美子】

「入学の証しなく、孤立は当然」

 全国の小中高校が通常授業に戻る中で多くの大学がオンラインでの講義を続けるのは、小中高校に比べて一つの教室の人数が多いうえに、学生が集まれば飲み会などで新型コロナウイルスの感染リスクが高まる恐れがあるからだ。

 だが、キャンパスに行けない期間が長期化するにつれ学生からは不安の声も上がる。宮崎市出身で九州大法学部2年の本山桃子さん(19)は「4月以降一度も大学に行っていない。友人とは学外で2、3度会っただけ。1人暮らしでさみしい」。同学部2年の首藤春風(しゅとうはるか)さん(19)も「オンラインでは気持ちの切り替えが難しい。試験も在宅で参考書での確認も許されたので本当に学力がついたのか分からない。対面での講義を再開してほしい」と訴える。

 文部科学省が全国の大学や高等専門学校を対象に実施した7月1日時点の調査によると、1069校中254校がオンラインのみで講義を実施。このうち約5割は対面での講義を一部でも再開する時期について「9月以降」または「検討中」と回答した。

 教育評論家の尾木直樹・法政大名誉教授(臨床教育学)は、九大が実態調査をした点を評価するとした上で「勉強して入学したのにその証しが学生証1枚しかない。大学に行かず、オンラインのみでは孤立感を深めるのも当然。学生たちは立派な大人なので、大学は社会的距離の取り方や密の避け方などについて学生と話をして早期に講義を再開すべきだ」と指摘した。




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Author:gogotamu2019
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