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酔っぱらい(2020年8月24日配信『北海道新聞』-「卓上四季」)

 評論家の小林秀雄は日本酒をこよなく愛した。家にいて、客のない日は午後6時から晩酌を始める。1日2合と決めていて、骨董(こっとう)の器でゆっくり飲んだ

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▼ただ友人らと一緒の時は「本格的な酔っぱらい」に変貌し、絡み酒だった。長女の白洲明(はる)子さんが回想している(新潮社「考える人」2013年春号)

▼外で飲む機会も多く、鎌倉の自宅から少し離れた知人宅で泥酔し、何度も「千鳥足の父と小学四、五年生の娘が歩いて帰っていた」。酔っぱらいを介抱するのが少女時代の白洲さんの役割だった。うらやむほどの仲の良さだ。そんな関係は、小林が80歳で世を去るまで続いたにちがいない

▼年齢を重ねても気遣い合える人がいれば、安心はいかばかりか。独居老人が増える現実にそんな思いを強くする

▼今年の警察白書によると刑法犯の摘発者に占める高齢者は増え続け、今や2割を超す。その半数が万引。理由に挙がるのは「身近に話し相手がいない寂しさや生活困窮」だ。高齢者に広がる孤立や貧困を憂う

▼独りになった事情は人によってさまざまだろう。ただ厳しい状況に陥ったのは「高齢者に家族頼みの老後しかシナリオになかったため」と、社会学者の上野千鶴子さんは指摘する(「おひとりさまの最期」朝日文庫)。こんな社会でいいはずがない。コロナ禍を考えれば余計に、人とつながる術(すべ)が求められている。安心はそこにある。



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2020(令和2)年警察白書 概要版(1.10MB)



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内容(「BOOK」データベースより)
同世代の友人の死を経験した著者が「いよいよ次は自分の番だ」という当事者感覚をもって、医療・看護・介護の現場を取材して20年。孤独死ではない、人に支えられた「在宅ひとり死」は可能なのか。取材の成果を惜しみなく大公開。超高齢社会の必読書。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

上野/千鶴子
1948年富山県生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。認定NPO法人WAN理事長。日本における女性学・ジェンダー研究のパイオニア。1994年、『近代家族の成立と終焉』でサントリー学芸賞、2011年朝日賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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gogotamu2019

Author:gogotamu2019
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