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先住民アイヌ(2020年8月24日配信『東奥日報』-「天地人」)

 名優でアカデミー受賞監督という二つの顔を持つメル・ギブソンにクリント・イーストウッド。いずれもメッセージ性の高い映画作りで知られるが、2人のヒット作「エア・アメリカ」(1990年)と「グラン・トリノ」(2008年)に共通したテーマがある。モン族だ。

 中国南部からインドシナ半島の山間地にすむ少数民族で総人口は1千万近くだというから、もはや少数とは呼べないのかもしれない。彼らは自然崇拝に根ざした独自の生活様式を貫き独立を求める。それゆえベトナムやラオスなどの国家と対立し時には粛清の対象とさえなる。

 そんな政治的特殊性に目をつけたのが米国だ。ベトナム戦争では兵士として利用した揚げ句に切り捨てた。犠牲者は20万人に上る。冒頭の2作品は少数民族を政治の道具に使う大国の身勝手さを告発するとともに民族間の相互理解を呼び掛けている。

 わが国にも少数民族は存在する。先住民アイヌである。7月に北海道でアイヌ文化施設ウポポイが開業した。民族の共生がテーマで背景には先住民を顧みることが少なかった日本という国家の反省がある。

 青森県にもアイヌ文化は色濃く残る。例えば「内」や「別」が付く地名がそうだ。アイヌが暮らした痕跡であり、内は沢、別は川を意味する。道すがら目にした地名から遠い過去に思いをはせる。共生と相互理解の第一歩かも。




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