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冬のコロナ対策 インフル流行も見据えて(2020年8月25日配信『信濃毎日新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行に備え、何をしておくべきか。今冬のコロナ対策の最も大きな課題だ。

 政府はインフルエンザワクチン接種について、高齢者や持病のある人を最優先とし、医療従事者や妊婦、子どもらも先行させる方向で検討に入った。

 二つの感染症は発熱やせきなどの症状が似て区別がつきにくい。高齢者や持病のある人がかかると重篤になりやすいのも同じだ。一方で、コロナは治療法が確立されておらず対応は異なる。

 多数が押しかけて医療現場が混乱する事態は避けねばならない。ワクチンの優先接種でインフルの患者数と重症化リスクを抑えることができれば、医療機関の負担を減らす有効な手段になる。

 接種を求める現役世代も多く見込まれる。政府は、効果的な接種計画を早急に組み立て、十分な量の確保を図る必要がある。

 コロナかインフルかを見分ける検査方法の構築や受診の目安づくりも急がねばならない。

 日本感染症学会は同時流行に備えた提言で、可能な限り両方の検査を、同時に検体を採取して行うよう推奨している。

 欠かせないのはコロナの検査能力の向上だ。現在は1日当たり6万件に満たない。広島県知事や専門家らは、11月末までに主要国並みの水準となる20万件まで引き上げるよう政府に求めている。

 実際にはコロナ検査キットの供給が困難になる可能性がある。その場合、どんな手順で診断を確定させ、治療につなげるか。各地域の検査や医療の体制、感染状況を踏まえた検討が必要になる。

 両方に感染する事態にも備えなければならない。

 同学会によると、インフル感染の有無でコロナ患者の重症度に差はなかったとの報告がある一方、B型インフルとの合併症状で重症化したとの報告もあるという。

 コロナ禍で冬を迎えている南半球を注視し、参考になる事例の紹介に努め、患者が安心して治療に臨めるようにしたい。

 地域や職場、学校、家庭でも、同時流行への備えは大切だ。

 2019〜20年シーズンの国内インフル感染者は約700万人で、例年の約1千万人を大きく下回った。手洗いや3密(密閉、密集、密接)の回避などコロナ対策が功を奏したとの見方がある。

 従来のコロナやインフルの対策徹底に加え、他にやるべきことはあるか。行政も一緒になって見直し、対応策を考えたい。



コロナとインフル 同時流行を見据え備え早く(2020年8月25日配信『北国新聞』-「社説」)

 石川県で開業医による新型コロナウイルスの有無を調べる検査が始まった。県は100以上の開業医の参加を見込み、1日当たりの検査数を約800件に引き上げたいとしている。富山県は県内の児童と未就学児を対象にインフルエンザの予防接種費用を助成する。いずれも今冬のインフル流行期に備えた措置である。

 新型コロナは春や夏よりも寒くて湿度が低い冬の方が伝播しやすい可能性がある。季節性インフルと流行が重なると、医療機関の混乱が避けられない。今のうちにできる限り医療現場の負担を軽減するコロナ対策を強化し、早期にインフルのワクチン接種をするよう呼び掛けるなど「同時流行」を見据えた準備を進めておきたい。

 日本感染症学会は従来のコロナの伝播モデルから推計した研究により今冬に新型コロナの大きな流行が起こると予想し、一般医療機関向けに提言をまとめた。臨床診断だけでは新型コロナかインフルか見分けるのは難しいため、新型コロナとインフル両方の可能性を考え、双方の検査をするよう求めた。医療関係者や高齢者、持病のある人、子どもらへのインフル予防接種も強く推奨している。

 日本のインフル罹患者数は年間1000万~1400万人程度で、ピーク時は1日数万人単位に上る。例年のように発熱などを患者が訴え医療機関に押し寄せると、現場の負担は計り知れない。予防接種率をなるべく高め、診断の際に新型コロナと両方の検査を速やかに実施し、目詰まりなく判定できる態勢を整えておく必要がある。

 一部では、昨季のインフル罹患者が前季に比べ約4割減ったのは新型コロナの予防で手洗いやマスク着用が浸透したのが一因で、今冬もインフルの流行はないのでないかと見る向きもある。また、流行シーズンにある南半球では今のところ罹患者が少ないという。

 とはいえ楽観はできない。危機管理は最悪の事態を考え構えるのが鉄則だ。昨季にインフルが流行しなかった分、集団的免疫力が低下している日本で今冬、ウイルスが流入すれば大流行になるとの指摘もある。予断を許さない状況は変わらず、先手の対策が必要だ。






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Author:gogotamu2019
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