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コロナ禍と大学 学業継続の支えが必要(2020年8月26日配信『北海道新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの影響で、大学生が極めて困難な状況に見舞われている。

 大学はこの数カ月、感染を防ぐため対面授業を中止し、主にオンラインによる遠隔授業を続けた。

 キャンパスへの立ち入り制限が長期間継続され、教員から直接指導を受けたり、仲間と交流したりすることもままならない。

 夢を抱いて入学したのに、大学生本来の幅広い経験を重ねることができず、学ぶ意欲を保つのが難しいという苦悩の声が上がる。

 各大学は感染防止に留意した上で、可能な限り対面授業を再開させ、学生が学ぶ機会を保証するよう努力してほしい。

 文部科学省の調査によると、7月1日時点で全国の大学、短大、高専の計1069校のうち、4分の1がオンライン授業のみを実施し、6割が対面授業とオンライン授業を併用していた。

 一方、対面授業を全面的に再開したのは2割弱にとどまる。

 大学が対面授業に慎重な背景には、大教室での授業で集団感染が発生する恐れや、学生の行動範囲の広さへの懸念があるとされる。

 遠隔授業は人間関係に悩む学生が参加しやすくなるなどの利点がある半面、教員の説明が一方的になりがちなどの課題がある。実験や実習もオンラインでは困難だ。

 大学は生涯の師や友を見つけ、人間的な成長を果たす場でもある。それはキャンパスなどでの直接の交流があればこそだろう。

 小中高校の授業は通常に近い形に戻りつつあるが、大学は進んでいない。高額な授業料を納入したにもかかわらず本来の姿からほど遠く、学生の不満は根強い。

 道内では星槎道都大や旭川大、函館大が、原則として対面授業の再開に踏み切っている。

 各大学は「3密」回避などの感染防止策を徹底した上で、大学のあり方を通常の姿に近づけ、学生が学業を続けられるよう全力を尽くしてほしい。

 それ以前に大学に在籍し続けられるか悩む人は多い。仕送りが途絶える、アルバイト先がなくなるなど、経済的困窮が影を落とす。

 立命館大の学生新聞による調査で、退学を考える学生が1割いたほか、休学を検討する学生も4分の1に上っている。

 北大や道教大など独自に就学支援金の支給を導入した例も少なくないが、それだけでは追いつかない。社会の将来を担う学生を救うため、国は経済的支援の一層の拡充を急がなければならない。



オンライン授業 あくまで対面授業の補完役(2020年8月26日配信『北国新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの感染拡大で、入学した大学のキャンパスに一度も入れないまま夏期休暇に入った。こんな経験をしている大学生が少なくない。

 対面授業の代わりにオンライン授業が導入されている。民間調査会社の調べでは、大学でのオンライン授業の実施率は97%に達しており、石川県や富山県の大学では100%の実施である。オンライン授業は効率的で、何度でも繰り返し学べる利点もあるが、一方通行の講義を物足りないと感じる大学生も多くいるはずだ。

 教える側からはオンライン授業が普及すればするほど、対面授業の重要性を再認識させられるとの声が聞こえてくる。学生の表情が見えず、理解度や習得度の確認ができないためだろう。

 オンライン授業は学力向上には有効だが、大学教育で求められる深い学びに適しているとは思えない。大学では、教師と学生、または学生同士の交流を通じて人格形成や人間力を高めることも重要な学びの要素であり、これらをオンラインで実現するのは難しい。あくまで対面授業の補完役にすぎず、大学教育の正常化が待たれる。一部の大学のように、対面授業とオンライン授業を併用するかたちで再開してはどうか。長らく休校措置が取られた小中高校は既に再開され、2学期も通常の授業が行われる予定である。大学だけが遅れを取っているのは残念というほかなく、学生や保護者が不満に思うのは当然だ。

 学生たちは大学のキャンパスで、さまざまな学部の学生と交流を深め、そこで生涯の友を得る。教授の部屋に立ち寄って質問をしたり、ゼミで討論を戦わせるなどして、深い知識を習得できるのが大学教育の良さである。感染予防を重視するあまり、いつまでも対面授業を避けていては、社会的な損失になりかねない。

 文部科学省の調査では、対面授業を全面的に開始する予定の時期について、大学や高等専門学校の約6割が「検討中」としている。一方、累計感染者数が41万5千人に達した米ニューヨーク市のニューヨーク大は、9月2日の授業再開を予定している。日本でもキャンパス生活の再開を急ぎたい。





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Author:gogotamu2019
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