FC2ブログ

記事一覧

接触確認アプリ 普及阻む壁をどう取り除くか(2020年8月27日配信『読売新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの感染者との接触の可能性を知らせる政府のスマートフォン用アプリの普及が伸び悩んでいる。

 より多くの人が使うほど感染防止の効果を発揮するという仕組みを踏まえ、活用を促進する体制を整えたい。

 接触確認アプリ「COCOA(ココア)」は、近距離無線通信機能「ブルートゥース」を使い、「1メートル以内、15分以上」の利用者同士の接触を検知、記録する。

 感染した利用者が政府の管理システムに陽性登録すると、14日以内の接触履歴がある利用者に通知が届く仕組みだ。

 通知を受けた人がPCR検査や体調管理、外出自粛などを行うことで、感染拡大抑止につながると期待されている。経済活動との両立にも有効だろう。

 だが、アプリの運用開始から2か月あまりで、ダウンロード数は約1501万件と、人口の1割台にとどまっている。アプリの効果を高めるには、人口の4割または6割の利用が必要だとの試算もあり、現状のままでは不十分だ。

 重要なのは、アプリの効用について周知を徹底し、普及を阻む壁を取り除くことである。

 これまでは陽性者との接触通知が届いて保健所に相談しても、無症状の時は検査を受けられないケースがあるなど、自治体によって対応にばらつきがあった。

 厚生労働省は21日の通達で、アプリの通知を受けた利用者が希望すれば、無料で検査を受けられるよう自治体に要請した。現場の混乱を防ぐため、政府と自治体は検査体制を拡充する必要がある。

 アプリによる陽性者の登録は428件にすぎない。普及率の低さを差し引いても少なすぎるとの指摘がある。陽性が判明しても、社会の「感染者探し」を警戒し、管理システムへの登録をためらう人が多いのではないか。

 陽性者や接触者が差別を受けることがあってはならない。個人情報の保護も大切だ。

 アプリに氏名や電話番号は登録されず、陽性登録しても接触相手に個人を特定できる情報は届かない。中国などのように当局が個人情報を集めることもない。

 政府はこうしたプライバシー保護の仕組みや情報管理体制をより丁寧に説明し、アプリに対する信頼を高めねばならない。

 民間の協力も不可欠だ。企業や大学、医療機関や高齢者施設は、クラスター(感染集団)の発生防止策の一環として活用を検討してもらいたい。




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ