FC2ブログ

記事一覧

【大学とコロナ】可能な限り対面授業を(2020年8月27日配信『高知新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、春先から全国の多くの大学がインターネットによる遠隔授業を余儀なくされている。

 文部科学省の7月1日現在の調査では全国の国公私立の大学や短大、高等専門学校のうち対面授業を全面的に再開したのは2割弱にとどまっている。

 その後、再開した学校は増えているだろう。しかし、実験や実習など対面でないと不可能な授業を除けば、学生は多くの授業をオンラインで受けている。

 将来への夢や希望を抱いて大学生や短大生になったのに、キャンパスにほとんど行けない。大学生活を楽しめず、新しい友人もできない―。

 そういった悩みを抱え、実家や下宿先で日々もんもんとしている学生は少なくないはずだ。

 東京や大阪など大都市圏の大学はむろんのこと、各地の大学には全国から学生が集まる。感染拡大を防ぎ、学内からクラスター(感染者集団)を出さないためにも遠隔授業はやむを得ない面はある。

 しかし、学生の生活や学業への意欲の面への影響は小さくない。

 立命館大学新聞の調べでは、学生の1割が退学を視野に入れ、2割以上が休学を考えているという。対面授業や課外活動を制限された不満が、退学などを考える大きな理由となっている。

 さらに、低学年や学費が高い学部の学生が、退学や休学を検討する割合が高い傾向にあった。コロナ禍で飲食店などが臨時休業し、アルバイトで学費や生活費を工面していた学生が働けなくなったケースは多い。

 困窮した学生を金銭的に支援する公的制度ができたが、サポートは決して十分とはいえない。立命館大に限らず、経済的な悩みを抱える学生は少なくない。学生団体による4月時点の調査では、2割の学生が退学を検討していた。

 経済的な支援はさらに手厚くするよう政府や自治体に求めたい。

 遠隔授業については、学内での3密(密閉、密集、密接)を避けたり、マスク着用や消毒を徹底したりして可能な限り早く対面授業に戻してほしい。

 とはいっても、無理に戻してクラスターなどが発生すれば元も子もない。教員は当然として、学生も学内の感染症対策を十分理解して協力することが大事になる。

 大教室で多人数が受ける授業は慎重な対応が必要で、遠隔授業がいい場合があるかもしれない。少人数の教室やゼミなどの対面授業と遠隔授業を併用する期間が出るのは仕方がないだろう。高知大や県立大、高知工科大も学生らの安全を配慮して併用の形で授業している。

 大学に行く機会が減った中、県内のボランティア行事に参加した学生は「人とつながりを得られる場になった」。うれしそうな声が高知新聞に載っていた。当たり前の大学生活が早く送れるよう関係者は対策や工夫を進めてほしい。




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ