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悲惨な体験をどう語り継ぐか(2020年8月27日配信『しんぶん赤旗』ー「潮流」)

 この夏、原爆についてこれまでとは違う角度から迫ったテレビ番組に注目しました。一つはNHKのドラマ「太陽の子」です

▼日本で原爆開発の研究が進められていた実話にもとづく物語。研究に参加し苦悩する学生、戦死することにおびえる弟、幼なじみの女性は戦争が終わった将来に思いをはせていました。言論統制下の青春が決して一様ではなかったのです

▼もう一つの番組は、ドキュメント’20「煉瓦(れんが)の記憶」。被爆建物である広島陸軍被服支廠(ししょう)の保存を願う切明(きりあけ)千枝子さん(90)の姿を追いました。日清戦争以来、軍服を製造・管理していた被服支廠。切明さんは学徒動員されていました

▼そこへ原爆投下。関節炎で病院へ行く途中だったため命は助かりました。被服支廠は加害の歴史と被害の歴史の両方を語っている。切明さんの証言です

▼「太陽の子」は、ディレクターが当事者の日記に出会ったことがきっかけで、十数年かけてドラマ化にこぎつけました。「煉瓦の記憶」の切明さんが自身のことを語る活動を始めたのは85歳になってから。憲法をめぐる政治の動きを危惧したと言います。「人の命は絶えるが、被服支廠は手を加えれば何百年も生きる」。切明さんが番組の最後に訴えます

▼被爆・終戦から75年。悲惨な体験をどう語り継ぐかが重要な課題となっています。戦争を知らない世代が歳月をかけて伝えようとする試みがあり、一方では晩年になって戦争の真実を語ろうとする決意も。いずれも貴重な志に根ざしています。



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