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コロナ運用緩和 効果と課題の見極めが肝心だ(2020年8月28日配信『読売新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの感染者が増えたことで、無症状者や軽症者の扱いが焦点になっている。医療現場の負担軽減に向けて、状況に応じた対応を検討せねばならない。


 厚生労働省の助言機関が、新型コロナの法令上の位置づけを見直す議論を始める。無症状者や軽症者の入院で、医療機関の機能が圧迫されているためだという。

 政府は2月、新型コロナを国民の健康に重大な影響を与える恐れがある指定感染症に定めた。感染症法上の5分類では、結核やSARS(重症急性呼吸器症候群)と同じ「2類相当」とした。

 その後、感染抑止のため、無症状者も入院させるなど、最も厳しい1類並みの対策もとった。当時は感染力や病原性がはっきりしていなかったこともあり、強い措置で臨んだことは理解できる。

 感染者が入院を拒否したり、感染経路の調査に協力しなかったりすることも想定された。法的な裏付けを与えることで、入院勧告が可能になり、調査の確実な実施につながった面もある。

 医療費は公費で賄われ、患者の負担が軽減された。こうした事情を考えれば、指定感染症とした意義は大きかったと言えよう。

 ただ、入院が原則のように受け止められた結果、軽症者への対応で重症者の治療がおろそかになると懸念する医療関係者は多い。

 軽症者や無症状者は現在、自宅やホテルでも療養できるが、念のため入院したいという感染者もいるという。今後、症状がコロナと区別しにくいインフルエンザが流行すれば、医療現場の混乱に拍車がかかると心配されている。

 指定感染症は、全感染者を国が把握し、管理する性格が色濃い。無症状者も多い現在、当初のような厳格な運用を改めることは検討に値しよう。入院は重症者を中心にするなど、感染状況に見合った運用の仕方を探ってほしい。

 しかし、厳しい運用を改めることで感染防止がおろそかになっては元も子もない。まずは、PCR検査を拡充し、感染の有無を確認することが必要だ。国民が安心感を得られれば、経済活動にも弾みがつくだろう。

 今後の議論では、見直しの効果と課題を明確にし、しっかりと国民に説明することが大切だ。

 感染者がさらに増えた場合でも、重症者の救命に支障を来さないようにすることが肝心である。そのためには、限られた病床を効果的に活用し、医療従事者の疲弊を防ぐ体制作りが不可欠だ。




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