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コロナとインフルエンザ 同時流行に関する論説(2020年8月28日)

インフルエンザ 同時流行への対策急務(2020年8月28日配信『北海道新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルス感染症とインフルエンザは症状の見分けがつきにくい。この冬、同時流行した場合に備えた対策が急務だ。

 政府は、高齢者を対象に10月前半からインフルエンザワクチンを優先接種する方針を決めた。

 それ以外の人は10月後半からの接種が望ましいとするが、医療従事者や持病のある人、妊婦、小学校低学年までの子を優先する。

 厚生労働省によると、ワクチン供給量は6300万人分に増えたが、全国民分には到底足りない。重症化しやすい人たちへの接種を優先するのは当然だろう。

 現場の混乱を防ぐため、政府や自治体、医療機関は検査や診療体制の拡充に加え、対策の周知徹底など情報発信が不可欠だ。

 インフルエンザは国民のおよそ1割に当たる1千万人が感染するとされている。一方で、新型コロナは、コロナウイルスの伝播(でんぱ)モデルから推測した従来の研究から今冬の流行拡大が予測されている。

 一層の警戒が必要だ。

 両者はどちらも呼吸器感染症で発熱や頭痛、筋肉痛、せきなどの症状は共通している。息切れや味覚障害などは新型コロナの特徴だが、症状の出ない人もいる。

 インフルエンザワクチンの予防接種を受けた人は、新型コロナでも重症化や死亡するリスクが減ったとの研究もある。可能な限り接種を行い、重症化リスクを抑えることが肝心だ。

 日本感染症学会は、症状だけで両者を見分けることが難しいことから、新型コロナとインフルエンザ両方の検査を実施するよう推奨する提言を行っている。

 適切な治療につなげるためにも検査の拡充が欠かせない。

 発熱患者が増える冬場に備え、政府は、地域の診療所などで協力して検査、診療する体制を10月中に整えるよう都道府県に通知する方針を示した。

 札幌市は全10区ごとに発熱外来を数カ所ずつ新設し、11月に稼働させる。各自治体はきめ細かな体制づくりを急ぐ必要がある。

 発熱患者の殺到や他の患者との接触で感染が広がるような事態は防がねばならない。受診時の電話予約の徹底、動線や診療時間を分けるなど工夫が求められよう。

 政府は検査キットやマスク、ガウンなど必要な医療物資を十分に行き渡らせる責務がある。

 二つの感染症は手洗い、マスク着用、3密回避など予防法は大きく変わらない。一人一人が感染症対策の基本を守るよう努めたい。



コロナとインフル 同時流行に最大限警戒を(2020年8月28日配信『産経新聞』-「主張」)

 新型コロナウイルスの感染拡大は「ピークは越えた」との見方があるものの、収束が見通せない状況が続いている。

 この秋から冬にかけては新型コロナとインフルエンザの同時流行が懸念される。厚生労働省の専門部会は高齢者や子供から優先的にインフルエンザワクチン接種を受けてもらう案を了承した。

 新型コロナ感染者とインフルエンザ患者を、初期症状から判別するのは難しい。発熱などの症状がある患者に対しては、新型コロナとインフルエンザの両方を想定した診療、検査が必要となる。

 厚労省は、例年よりもインフルエンザのワクチン接種希望者が増えると見込み、医療機関の混乱を避けるために優先接種の対象を決める必要があると判断した。

 高齢者や医療従事者、妊婦や子供のワクチン接種を優先すること自体は妥当である。

 しかし問題の本質は、ワクチン接種の優先順位ではない。より大切なのは、優先接種の対象でない人を含め、多くの人が接種を受けられるよう十分な供給量を確保し、ワクチン接種の万全の態勢を築くことである。

 日本感染症学会は「今冬は新型コロナとインフルエンザの同時流行を最大限に警戒すべきだ」としたうえで、医療関係者、高齢者、ハイリスク群の患者も含め「インフルエンザワクチン接種を強く推奨する」提言を出している。


 厚労省によると、今季のインフルエンザワクチン供給量は6300万人分が見込まれる。昨年度からは約7%増で、平成27年以降で最大となるという。

 インフルエンザの流行は例年、数百万から1千万人もの規模になる。すべての患者に「新型コロナ対応」を行う医療機関の負担は、とてつもなく大きくなる。

 新型コロナに対する初期の対応で、厚労省は医療機関の混乱を避けることに過度にとらわれて、PCR検査の拡充を結果的に遅らせた「前歴」がある。インフルとの同時流行への備えで、その轍(てつ)を踏んではならない。

 政府は例年の供給量をベースとするのではなく、全国民を対象とする規模でインフルエンザワクチンの供給と接種態勢の構築を目指すべきである。

 新型コロナのワクチンが開発された後にも、その態勢と経験は生かされるはずだ。



コロナとインフル 政府は同時流行への備えを急げ(2020年8月28日配信『愛媛新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、今冬のインフルエンザ流行期が近づいている。政府は同時流行した場合に備えた対策パッケージをまとめた。インフルエンザワクチンを高齢者に優先的に接種することや、地域の診療所でも両方の検査ができる仕組みづくりなどを盛り込んでいる。

 インフルエンザは新型コロナ感染症と症状の見分けがつきにくい。発熱した患者が殺到し、医療現場に過重な負担をかける懸念がある。ワクチン接種で可能な限りインフルエンザの患者数を抑え、重症化を防ぐことが大切だ。政府は、地域の医療体制の実情やニーズを踏まえながら、準備を急がねばならない。

 例年、国民のおよそ1割が感染するインフルエンザ。政府は今冬のワクチンの供給量を約6300万人分としているが、国民全員分には及ばない。そのため、10月前半から原則として重症化リスクの高い65歳以上の希望者から優先接種を始め、医療従事者や持病のある人、妊婦、小学校低学年までの子どもに広げることを想定している。

 優先接種に法的な強制力はなく、接種を促すには対象者への周知徹底が欠かせまい。政府は今後、具体的な方法を詰める。自治体や関係団体と連携し、混乱が生じないよう浸透を図ることが肝要だ。

 また政府は、発熱患者を地域の診療所などで協力して検査、診療する体制を10月中に整えるよう都道府県に通知する方針も示している。インフルエンザが流行すれば、現在、新型コロナの検査を担う帰国者・接触者外来や地域の検査センターでは発熱患者に対応しきれなくなる懸念があるためだ。

 ただ、課題は多い。発熱患者には新型コロナとインフルエンザ両方の検査を実施することが望ましいが、大勢の患者に対応できる新型コロナの検査キットの供給は困難とみられる。発熱患者とほかの患者の動線を分けるといった対応も、小さな診療所では限界があろう。診療所の当番制導入など、地域の医療体制や感染状況に応じた対策の在り方を詰める必要がある。マスクやガウンといった防護具の配布準備も急がねばならない。

 対策に関連し、政府は新型コロナの感染症法上の位置付けを5段階の危険度で2番目に高い「2類相当」から引き下げることも検討する。現状では原則として感染者に入院勧告し、医療機関に入院してもらう措置を取っているが、感染者数の増加に伴い医療機関や保健所の負担が重くなっていた。

 引き下げれば、軽症者や無症状者の宿泊施設などでの療養徹底が期待されるが、公費で賄われている検査や入院の費用が自己負担となる可能性もある。軽症者らの感染状況が把握しにくくなると、市中感染の拡大を招きやすくなる恐れがある。政府は専門家の意見を聞きながら、法律上の位置づけを慎重に議論しなければならない。



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