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「ひまわり」(2020年8月28日配信『熊本日日新聞』-「新生面」)

 画面いっぱいに広がるヒマワリの花が印象的だった。女優ソフィア・ローレンらが好演した映画「ひまわり」が封切られて、今年は50年の節目という。それを記念した映像修復版が各地で上映中で、熊本でも9月に公開される

▼映画は第2次世界大戦によって引き裂かれた夫婦の悲劇を描いた。イタリアからソ連戦線に送られ、終戦後も戻らない夫をソフィア演じる妻が探しに出向く。途中、立ち寄るのがヒマワリ畑。数々の映画音楽を手掛けたヘンリー・マンシーニの曲も見る者の哀感を高めた

▼一連の戦争による理不尽は極東ロシアでも数々見られた。千島列島へのソ連軍侵攻もその一つだ。75年前の8月28日から9月5日にかけて、択捉、国後、色丹の3島と歯舞群島を次々に占領した。今に言う北方領土である

▼そのロシアでは7月に領土割譲禁止条項を盛り込んだ改正憲法が発効した。そこには日本の北方領土返還要求を封じ込めようとする思惑も透ける。今月から侵攻作戦の記念硬貨の流通も始まったと聞く。実効支配の長期化で現地のロシア化は進む一方だが、両国の政治的距離を埋めるのはやはり至難の業なのか

▼ロシアの国花でもあるヒマワリは、今の日本ではインスタ映えすると女性らに人気だ。見た目の明るさ故だろうが、先の映画に登場したヒマワリ畑には無数の兵士が眠り、風に揺れる花々が物悲しさを際立たせた

▼静かに反戦を訴えていたに違いない。では同じ思いを持つであろうかつての島民に笑顔の花はいつ咲くのだろう。



キャプチャ

解説
ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニというイタリアの2大スターを主演に迎え、戦争によって引き裂かれた男女の愛を描いたドラマ。結婚して幸せな日々を送っていたジョバンナとアントニオだったが、第2次世界大戦が勃発し、アントニオはソ連の最前線に送られてしまう。終戦後、帰らない夫を探しにソ連を訪れたジョバンナは、命を救ってくれたロシア人女性との間に家庭を築いていたアントニオと再会する。逃げるようにイタリアに戻ったジョバンナだったが、数年後、もう一度やり直したいとアントニオが訪ねてくる。「ミラノの奇蹟」(1951)、「悲しみの青春」(71)などで知られ、74年に他界したイタリアの名匠ビットリオ・デ・シーカの晩年の名作。2011年にニュープリントでリバイバル公開。2020年には製作50周年を記念してHDレストア版でリバイバル公開( 映画.com)。

1970年製作/107分/G/イタリア
原題:I girasoli
配給:アンプラグド
日本初公開:1970年9月








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Author:gogotamu2019
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