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石破氏、菅氏出馬で戦略見直し 派内に非戦論も(2020年8月30日配信『産経新聞』)

 菅義偉官房長官が自民党総裁選に出馬する意向を固めたことで、立候補の準備を進める石破茂元幹事長も戦略の見直しを余儀なくされた。知名度を生かす武器と考えていた党員・党友投票が見送られる方向となる中、連携を期待した二階俊博幹事長が菅氏の擁立に動き、国会議員の支持拡大も難しくなってきたからだ。

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 「一緒に(民主党から)政権を奪還した信頼する人だ。立候補していろいろな見解を述べ、選挙が行われることは意義がある」

 石破氏は30日、大津市内で記者団にこう述べ、菅氏の立候補を歓迎した。

 ただ、石破派(水月会、19人)では菅氏の参戦に頭を抱える議員が多い。党内基盤が脆弱(ぜいじゃく)な石破氏は二階氏への期待感が強かった。それだけでなく、二階氏と関係が良好な菅氏との連携を模索する向きもあった。

 石破氏は、9月17日に予定する石破派の政治資金パーティーで二階氏を講師に招いた。さらに、6月発売の月刊誌「文芸春秋」では、菅氏を「地方への熱い思いを持っている」と持ち上げ、秋波を送った。石破派の関係者は「菅氏が出馬し、それを二階氏が支える構図ができたことでシナリオが崩れた」と語る。

 総裁選で党員投票が見送られる方向となったことも、石破氏を苦しめる。石破氏は今月30日、「民主主義にもとるやり方で、総裁を決めることはあってはならない」と批判。石破派の幹部は「党員投票抜きなら『談合総理』と呼ばれる。そんな中途半端な総裁選に出ることはない」と出馬見送りを求める声すら出始めた。

 ただ、石破氏は同日、記者団に「(不出馬という)無責任なことはできないということに変わりはない」と出馬に重ねて意欲を示した。党内では「今回出馬を見送る方が政治生命の終焉(しゅうえん)に近づく」(閣僚経験者)という声もある。石破派は30日夜の会合で、党員投票が省略された場合の対応も含め、石破氏の意向に従う方針を確認した。



菅氏立候補で総裁選の構図はどう変わるのか 広がる支援の動き 苦境の石破氏(2020年8月30日配信『毎日新聞』)

 辞意を表明した安倍晋三首相(自民党総裁)の後継を決める党総裁選に菅義偉官房長官(71)が立候補の意思を固めたことで、選挙戦の構図は一変した。二階俊博幹事長が率いる二階派(47人)は早々と菅氏支援の動きを加速させ、竹下派(54人)内でも支持が広がる。主要派閥の支援に期待した岸田文雄政調会長(63)の戦略は揺らぎ、党内基盤の弱い石破茂元幹事長(63)は一層苦境に立たされた。今後は細田派(98人)、麻生派(54人)などの派閥の動向が焦点。菅、岸田両氏のつばぜり合いの様相が強まった。

 「政権の大黒柱として支えてきた経験、実績がある。信頼する方なので立候補していろんな見解をお述べになることは非常に意義のあることだ」。大津市を訪問した石破氏は30日、総裁選出馬の意向を固めた菅氏にエールを送った。だが、菅氏の参戦で苦境に立たされたのは石破氏だ。

 報道各社の世論調査で「安倍晋三首相の次に首相になってほしい人」のトップに居続けた石破氏。高い支持率とは裏腹に、自身の石破派は19人と少数で、国会議員の支持が得られないことが悩みの種だった。そこで期待したのが、二階派(47人)の支援。





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