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、国民に安心感を与える(2020年8月31日配信『産経新聞』-「産経抄」)

 ルールがあるからこそ、スポーツは面白い。厳格な基準に従って、アウトかセーフかをビデオやAIに頼らず、神ならぬ人間の目ですべてを判断していた頃の野球やテニスは、今よりずっと面白かった。

 ▼審判が誤審したかどうかをめぐってファン同士が口角泡を飛ばし、メディアも盛り上がった。昭和53年の日本シリーズ第7戦で、ヤクルトの大杉勝男選手が放った本塁打をファウルではないかと、阪急の上田利治監督が1時間19分にわたって抗議したのは今でも語り草だ。

 ▼ルール無用の悪党を正義の味方がたたきのめすのは、アニメの世界くらいで、本物の「悪党」はルールそのものを変える。冬季五輪の華であるジャンプとクロスカントリーを組み合わせたノルディック複合は、その見本である。

 ▼1990年代前半、荻原健司ら日本勢は、五輪団体種目で2回連続金メダルを獲得するなど表彰台を席巻した。ノルディックの本家を自任する欧州は、日本勢が得意とするジャンプの比重を減らすなど、ルールを何度も改め、露骨に日の丸を排除した。

 ▼政治の世界もルールが勝敗の鍵を握る。安倍晋三首相の辞任表明で号砲が鳴った自民党総裁選もそう。本来は、全党員が参加する党員票と国会議員票の合算で争うルールだが、緊急の場合は、国会議員票が大きなウエートを占める両院議員総会で代替できる、というからややこしい。

 ▼どちらを選ぶかは、審判ならぬ二階俊博幹事長の腹一つというから、まさにキングメーカーだ。余計なお世話だが、次の総選挙に勝ちたいなら、本格的な総裁選をやった方がいい。候補者同士が真剣に政策論議を戦わせることは、国民に安心感を与える。どの人も安倍さんに比べ今ひとつに見えるからねぇ。




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