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コロナとインフル/同時流行への備え万全に(2020年9月1日配信『河北新報』-「社説」)

 新型コロナウイルスの感染が収束しない以上、インフルエンザとの同時流行は避けられまい。インフルエンザがはやる冬を前に、備えを万全にしておきたい。

 政府はインフルエンザワクチンを原則として65歳以上から優先的に接種する方針を決めた。10月前半から始め、10月後半以降は医療従事者や基礎疾患がある人と妊婦、小学校低学年までの子どもを優先する。

 新型コロナとインフルエンザは発熱やせきなどの症状が似ており、見分けがつきにくい。高齢者や持病のある人がかかると重篤になりやすいのも同じだ。一方で、コロナは治療法が確立されておらず、対応は異なる。

 ワクチンの優先接種によりインフルエンザの患者数と重症化リスクを抑えることができれば、医療機関の負担が軽減されよう。

 ただ、ワクチンの供給量が懸念される。厚生労働省は今冬の供給量を約6300万人分と見込んだ。4種類のワクチンに対応するようになった2015年以降で最大になるというが、国民全員分には足りない。

 コロナ禍の長期化で、国民は感染症のリスクに対し敏感になっており、インフルエンザワクチンの接種希望者は、例年以上に増加すると構えた方がいいだろう。

 政府は接種時期に入ってから医療機関の窓口で混乱しないよう、優先接種の趣旨について事前に周知を徹底することが欠かせない。加えてワクチンの増産に向けて、最大限の努力を続けるべきだ。

 検査体制の拡充も急がなければならない。

 日本感染症学会は同時流行に備えた提言で、可能な限り両方の検査を、同時に検体を採取して行うことを推奨している。

 厚労省はどちらの検査も受けられる「検査協力医療機関」の整備を都道府県に求めることにした。

 新型コロナの検査は、帰国者・接触者外来や地域の検査センターが担っているが、インフルエンザの症状がある人が殺到すれば、対応しきれなくなる恐れがあるためだ。

 検査場所が増える利点と裏腹に、医療機関は通常の診療と両立させる必要があるため、現場の負担が増えるのは避けられない。

 検査協力医療機関は地域の診療所などが想定されるが、基幹病院との連携や役割分担をあらかじめ決め、負担が集中しないよう、地元医師会との調整が求められる。

 2019~20年シーズンの国内インフルエンザ感染者は約700万人で、例年の約1000万人を大きく下回った。

 今冬も手洗いや消毒の徹底、マスクの常用、3密の回避などコロナ対策によりインフルエンザの流行は抑制されるとの見方もあるが、予断を許さない状況は変わらない。



感染確認半年/秋冬への対応を急がねば(2020年9月1日配信『神戸新聞』-「社説」)

 兵庫県内で新型コロナウイルスの感染者が初めて確認されてから1日で半年になる。

 累計感染者は8月30日時点で2200人を超え、東京都、大阪府、神奈川県などに続いて全国で8番目に多い。死者53人は9番目である。全国的には、今も感染者が多い地域に位置づけられる。

 県内では第1波の後、5月半ばから約1カ月間は新たな感染者は確認されなかったが、6月下旬から再拡大に転じた。7月は500人超、8月は千人超と急増し、県は「第2波」との認識を示している。

 東京や大阪などと比べれば感染の広がりは緩やかで、拡大のピークは越えたとの見方もある。だが、最近でも20人台の感染が確認される日がある。これは4月に緊急事態宣言が出された時期と同程度であり、油断してはならない。

 警戒を緩めてクラスター(感染者集団)などが発生すれば拡散のスピードは速い。県が、不要不急の移動自粛やイベントの人数制限などを継続する方針を決めたのは妥当な判断だろう。

 懸念されるのは感染者の年齢構成の変化だ。「第2波」は当初30代以下が多かったが、8月30日までの1週間では40代以上が5割以上を占める。無症状や軽症の若者が知らぬ間にウイルスを拡散し、高齢者の感染も徐々に増えているとみられる。家族間の感染対策も徹底したい。

 政府は先週、新型コロナの対策パッケージを発表した。簡易キットを使った抗原検査を1日20万件実施できる体制整備など多岐にわたる内容だ。この秋冬のインフルエンザとの同時流行に備えた措置という。

 兵庫県でも対策が急がれる。PCR検査を巡っては、県が地元医師会と連携し、ドライブスルー方式の検査センターを東播磨と淡路にも新たに設けた。設置済みの神戸、西宮、姫路市と合わせて県内5カ所となり、1日最大約1500件に拡充する方針だ。同時流行はいつ始まるか分からず、迅速に態勢を強化する必要がある。

 病床や宿泊療養施設は現状では余裕があるようだ。重症化の恐れがある中等症者の症状も把握し、万全の確保策を講じてもらいたい。

 大阪府は同時流行に備え、高齢者らを対象にインフルエンザの予防接種費用を無償化する。インフルエンザの重症患者を抑制することで医療体制の逼迫(ひっぱく)を防ぎ、新型コロナ対応に注力しやすくする狙いがある。兵庫県でも検討してはどうか。

 人命と医療を守るため、先手先手で対策を打ち続ける。同時流行という未知の事態を想定した取り組みを進めねばならない。




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