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「俺には二通りの嫌いな人間がいる。偏見を持つやつと××だ」(2019年7月3日配信『神戸新聞』ー「正平調」)

 男が言った。「俺には二通りの嫌いな人間がいる。偏見を持つやつと××だ」。童話作家、舟崎克彦さんのエッセーから引いた笑えぬ小話である

◆「××」とはこの際、何であってもいい。自分は偏見も排除もしていないと思い込みながら、実はだれかを差別し傷つけている。自戒せよ、とその小話は教えてくれる

◆安倍首相の発言も他山の石としよう。戦前行われた大阪城の復元工事には「大きなミスがあった。エレベーターまで付けてしまった」、G20の夕食会でそう述べたという。きのう首相自ら「遺憾だ」と釈明した

◆どうやらジョークのつもりだったらしい。どこが面白いのだろうか。エレベーターが必要な人ならばまず口にしないそのジョークとやらに「障害者への配慮が足りない」との批判が相次いだのは当然ともいえる

◆復元にしろ現存にしろ、天守のエレベーター設置にはいろいろ意見があろう。「昔はなかった」「史実に忠実であって」もよく分かる。でもそれを言えば耐震化もできないし、何より昔は観光客などいなかった

◆戦前の昔、大阪城にエレベーターを設置したのはミスどころか、えらいと思う。時代に合わせてどなたでも見学できるようバリアフリーに工夫を凝らす。それが現代のお城文化ではないか。



舟崎 克彦(ふなざき よしひ(1945年2月2日~ 2015年10月15日。70歳)は、日本の作家、詩人、作詞家、挿絵画家、劇画原作者。森窓一郎名義での作品もあり、著書は300冊以上にのぼる。
 主な作品は、児童文学・「雨の動物園」(岩波書店、国際アンデルセン賞優良作品賞)「ぽっぺん先生」物語シリーズ(岩波書店、赤い鳥文学賞、路傍の石文学賞)他。絵本・「あのこがみえる」(絵・味戸ケイコ。偕成社、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞)「かぜひきたまご」(絵・杉浦範茂/サンケイ児童出版文化賞)「悪魔のりんご」(絵・宇野亞吉良、小学館、日本絵本賞)他、多数。
 柔道3段。2015年3月まで白百合女子大学教授として文章表現と創作を担当した。
 祖父の舟崎由之は日本金属創業者で衆議院議員だった。





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Author:gogotamu2019
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