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被災自治体職員激務 「過労死ライン」300人超 九州豪雨2カ月(2020年9月3日配信『毎日新聞』)

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災害調査のため被災農家を訪ねる球磨村職員の地下克愛さん(右)=熊本県球磨村神瀬で2020年9月1日午後1時42分、浅野翔太郎撮影

 7月の九州豪雨で甚大な被害が出た熊本県南部の主な被災自治体5市町村で、7月の残業時間が月100時間の過労死ラインを超えた職員が計300人以上に上ることが毎日新聞の取材で明らかになった。8月以降改善されてきたものの、自らも被災する中、膨大な量の復旧業務に追われる自治体職員の疲労は限界に達しつつある。4日で豪雨発生から2カ月になるが、他自治体からの応援も十分とはいえず復興の遅れが懸念される。

 球磨(くま)村役場の建設課職員、地下克愛(じげかつなり)さん(28)は1日午後、被害の大きかった神瀬(こうのせ)地区で、崩れた農地を1人で測量していた。本来は2人1組の作業だが、もう1人の職員に急きょ別の仕事が生じた。球磨川の氾濫や土砂崩れにより道路が各地で寸断されたため復旧が遅れており、どの職員も手いっぱいだ。

 地下さんは災害後、水道担当も兼任することになり、本来の農業土木の仕事に加え、日によっては給水車で村内を回ったり壊れた水道管の復旧をしたりしている。7月の残業は200時間超。8月に入ってやや落ち着いてきたとはいえ「疲れすぎて、たまに『あれっ? 今何しゃべっていたんだっけ』と思うことがある」と苦笑する。

 自身も被災者だ。両親、祖父母と暮らしていた自宅は2階天井部分まで浸水し全壊。両親は片道約1時間離れた村外の避難所に身を寄せるが、通勤に時間がかかるうえ、避難所では落ち着かないため自身は役場の駐車場で車中泊している。「休みの日には自宅の復旧作業もあり、災害後、一度もゆっくり休めていません」と疲労は隠せない。

 地下さんが特別なわけではない。村によると、7月の残業が100時間を超えたのは管理職を除く一般職員59人の約8割に当たる48人。平均残業時間は140時間で、中には314時間に達した職員もいた。自宅が被災した職員も半数近い27人に上る。




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