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不適切すぎた首相のジョーク(2019年7月3日配信『沖縄タイムス』-「大弦小弦」)

 米国のレーガン元大統領は、ジョークの達人で知られた。テレビ番組のスピーチで「私は大統領になるための資質をすべて備えている」と自賛した。「第一に抜群の記憶力。第二に…何だっけ」と聴衆を笑わせた逸話がある

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▼こちらもジョークのつもりだったのか。安倍晋三首相がG20サミット夕食会で、大阪城を復元する際にエレベーターを付けたのを「大きなミス」と発言した。まったく笑えない

▼主要国の首脳に「わが国は、足が不自由な人は城の天守閣に上らせない方針だ」と伝えたようなもの。外交上も社交上も、不適切だ。日本はバリアフリーの必要性を軽視した国、とのメッセージを国際社会に発信しかねない

▼G20の議長を務めるのは外交的な見せ場だ。首相は「外交の安倍」をアピールする重大な決意で臨んだだろう。顛末(てんまつ)がこれでは、情けない

▼首相は5月、無条件で日朝首脳会談に望む方針に転じ、トランプ米大統領に伝えた。G20後、電撃的に無条件会談したのは、トランプ氏と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長。同行したのは、G20で首相が袖にした韓国の文在寅大統領だった

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▼レーガン氏は暴漢に銃撃され手術を受けた際、医師団に「君たちが全員、共和党員であることを祈るよ」と緊張をほぐした。ジョークのセンスは、外交センスにも通じる気がする。

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「今日は全員共和党員ですよ」(2017年3月2日配信『日本経済新聞』―「社説」)
 
 1981年、米共和党のレーガン大統領が狙撃されて、病院に運び込まれた。手術台を取り囲んだ医師団を見上げ、「ところで君たちは共和党員だろうね?」。米国では気のきいたジョークを口にできるかどうかもまた、大統領を評価する重要なポイントになるという。

▼このエピソードには続きがあり、医師の一人が「今日は全員共和党員ですよ」と応じたというから素晴らしい。レーガンさんは緊迫した場面でもジョークを飛ばして、国民に広く愛された。さて現大統領、トランプさんの技量はどうであろうか。残念ながらいまのところは、攻撃的な弁舌や憤った表情ばかりが目に浮かぶ。

▼世界中が注目した施政方針演説では、公約に掲げていたメキシコ国境の壁の建設や、不法移民対策の必要性を改めて強調していた。ただ選挙戦を引きずった激しい物言いは控え、戦闘モードはずいぶん和らいだ印象だ。これからは糾弾ではなく、対話を通して政策を実行したい。そんな決意の表れだとすれば大歓迎である。

▼ジョーク好きで知られた落語家の立川談志さんは、「政治家がジョークを織り込まなくてもいいのは宣戦布告ぐらいだ」と話していた。ジョークはぎくしゃくとした雰囲気をなごませ、ピンチを切り返す力を持つ。そうだとすれば、トランプさんにはこの先、しゃれたジョークをきめるチャンスがたくさんあるように思う。





 

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