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自殺ほう助や安楽死 欧米の終末医療事情(2020年9月4日配信『毎日新聞』)

大西睦子・内科医
 
 日本で先日、2人の医師が嘱託殺人罪で起訴されました。起訴内容は、2人が難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者(当時51歳)に頼まれ、女性の自宅を訪れて、致死量の薬物を投与し殺害したというものです。海外では、この医師たちの行為に一見すると似た行為を合法化している国があります。どんな制度があるのか、日本の事例はその制度にあてはまるのかなどを米国の事情を中心に紹介します。

 米国では現在、全米50州のうち9州(オレゴン、ワシントン、バーモント、モンタナ、カリフォルニア、コロラド、ハワイ、ニュージャージー、メーン)とコロンビア特別区(ワシントンDC)で、医師が処方した致死量の薬を、患者が自ら服用して死亡する「医師による自殺ほう助(Physician-Assisted Suicide、PAS)」が合法化されています。

 各州いずれも、対象は18歳以上の患者です。PASを求める患者は、担当する医師に対して口頭による要求を2回、少なくとも15日(ハワイ州は20日)の間隔で行う必要があり、さらに書面でも要求しなければなりません。一方、担当医は、こうした要求を電子カルテに記録しなければなりません。そして医師がPASに協力するには「患者は余命が6カ月以内と推定される終末期である」「医学的意思決定を下す能力がある」と判断し…




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