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コロナ不正受給 支援につけ込む悪意を許すな(2020年9月5日配信『読売新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの流行で経営不振に陥った事業者を支援する給付金の不正受給が、相次いでいる。政府や警察は監視や取り締まりを強化し、厳しく対処すべきだ。

 政府は、コロナで収入が半減した事業者に「持続化給付金」を支給している。中小企業は200万円、個人事業主などは100万円が上限だ。既に340万件の申請があり、4兆円が支給された。

 愛知県警が、この給付金100万円をだまし取ったとして、会社役員の男ら3人を詐欺容疑で逮捕した。知人を通じて募った400人に虚偽申請を指南し、手数料を得ていた疑いもあり、被害は4億円に上る可能性があるという。

 給付金の申請は、迅速に支給するため、添付書類を減らすなど手続きが簡素化されている。この救済策を悪用し、不正に利益を得たとすれば、許し難い行為だ。

 他府県でも不正受給で逮捕者が出ている。虚偽申請の手口が広がっているのではないか。

 SNS上には「100万円を受け取るチャンス」などと、学生や主婦を誘う書き込みが並んでいる。連絡すると、運転免許証や通帳のコピーを送るよう求められ、最終的に手数料を差し引いた数十万円を受け取れるという。

 背後には、組織的な詐欺グループの存在がうかがわれる。警察当局には、徹底した捜査で全容を解明してもらいたい。

 経済産業省も、専従職員を配置して調査を始めた。不正が判明すれば、氏名を公表し、受給額に加えて延滞金と20%の加算金を合算した額を返金させるという。SNSで「不正受給は犯罪です」と呼びかける活動も展開している。

 軽い気持ちで不正に給付金を得たとしても、その代償は大きい。刑事罰に問われる可能性もあることを、肝に銘じるべきである。

 他の支援策も警戒が必要だ。

 一律10万円の「特別定額給付金」は、他人になりすまして受給した事件が摘発された。休業手当に充てる「雇用調整助成金」では、以前も不正受給が発覚している。

 今、最も大切なことは、コロナ禍にあえぐ人のもとに、速やかに給付金を届けることである。不正受給を懸念するあまり、過度に審査を煩雑化させ、給付が遅れるようなことがあってはならない。

 ただ、支援に巨額の公費が投じられている以上、虚偽申請がないか、事後に厳しくチェックすることが必要だ。不正を許さないというメッセージを積極的に発信し、犯罪抑止につなげてほしい。




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