FC2ブログ

記事一覧

マイナポイント 信頼なしに利用進まぬ(2020年9月7日配信『北海道新聞』-「社説」)

 マイナンバーカードの所有者を対象に、買い物などで利用できるポイントを還元する政府の「マイナポイント」事業が始まった。

 元々は東京五輪・パラリンピック後の消費下支え策として延期前に立案された。カードとキャッシュレス決済の普及を含めた「一石三鳥」を狙っている。

 カードの普及率は開始直前で20%程度。ポイントを得るための手続きは煩雑だ。このままでは約2500億円を投じる事業の恩恵が一部の人に偏りかねない。

 カードの普及が進まないのは、政府や自治体の個人情報管理の甘さや監視社会を招きかねないことなど、マイナンバー制度に対する不信感があるためだろう。

 国民の信頼を得る努力を怠ったまま、お得感ばかりを強調したキャンペーンで普及を図ろうというのは、順序が逆ではないか。

 事業では、電子マネーのチャージや、スマートフォンのQRコード決済で買い物をすれば、累計で1人最大5千円分のポイントを得ることができる。

 ただ、スマホなどでマイナンバーカードの暗証番号を入力し、利用する決済サービスを登録する必要がある。お年寄りなどにはハードルが高い仕組みと言えよう。

 新型コロナの影響や申請増で、これからのカード発行には2カ月以上かかる自治体もある。

 6月末に終わったキャッシュレス決済のポイント還元事業でも、消費喚起効果は限定的だった。

 時期や費用対効果の面からも、実施には疑問を禁じ得ない。

 一方、政府はマイナンバー制度を軸とする行政のデジタル化を加速させる方針を示している。

 その一つがマイナンバーと預貯金口座のひも付けの義務化だ。

 10万円の特別定額給付金の支給が遅れたことを理由にしているが、混乱の原因は自治体の準備が不十分だったのに、政府がマイナンバーカードを使った急造のシステムを稼働させたことにある。

 システムや自治体の対応の不備を突いた不正受給も起きた。

 政府に起因する失態を理由に、口座とのひも付けを安易に進めようとするのは問題だ。

 カードの用途を拡大しようとする動きも看過できない。

 政府は運転免許証との一体化を検討し、現在の免許証の廃止も視野に入れている。

 多くの国民の生活に欠かせない免許証を使って、選択の余地なくカードを取得させるようなやり方は言語道断である。




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ