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合流新党代表選に関する論説(2020年9月8日)

合流新党代表選 信頼回復の道筋明示を(2020年9月8日配信『北海道新聞』-「社説」)

 立憲民主党と国民民主党などの合流新党の代表選が告示され、立憲の枝野幸男代表と国民の泉健太政調会長が立候補した。

 新党に入る国会議員149人が参加し、10日に投開票される。

 立憲だけでなく国民の一部にも支持を広げ、優位に立つ枝野氏は「政権の選択肢となって政治に緊張感を取り戻す」と述べた。

 泉氏は「提案型野党第1党」を目指す考えを強調した。

 しかし、新党に加わらない議員は立憲側の想定を上回り、今後の野党共闘に課題を残す。政権交代への道のりは依然険しいと言わざるを得ない。

 代表選の論戦を通じ、政権の選択肢となり得る政党へと脱皮する道筋を描くべきだ。

 枝野氏と泉氏は共同記者会見で、新型コロナウイルスで冷え込む経済の再生策として、消費税の時限減税や凍結を打ち出した。

 ただ、政策を訴える前提として大事なのは、地に落ちた信頼を回復することではないか。

 なぜ、旧民主党が政権から転落して7年8カ月にもわたり、安倍1強政権の下で「多弱」から脱することができなかったのか。それが問われている。

 合流新党は2017年9月に分裂した旧民進党の結党時の規模を確保したとはいえ、立憲と国民の協議は党名などを巡り混乱した。

 その結果、国民との完全合流は果たせなかった。新党綱領案の「原発ゼロ」などに反発する産業別労働組合(産別)の組織内議員9人も加わらなかった。

 主張の違いを乗り越えて、政権に対抗する大きな「固まり」をつくる難しさを、あらためて浮かび上がらせた。

 代表選では党名も争われ、枝野氏は「立憲民主党」をそのまま引き継ぐ方針だ。

 立憲は、17年10月の衆院選で旧希望の党から排除されたリベラル勢力の受け皿として枝野氏が旗揚げし、野党第1党に躍り出た。

 一時は安倍政権の有力な対抗政党になると期待されたが、十分に応えられなかった。

 枝野氏の党運営が閉鎖的との批判があり、離党者も出た。共産党やれいわ新選組などの野党勢力との連携をまとめ切る主導権を発揮したとは言い難い。

 泉氏は争点に「民主的な党運営」を挙げ、枝野氏への批判をにじませた。枝野氏も党内融和を掲げる。両氏で政策を競うと同時に、これまでの反省に立った党運営のあり方を探ってほしい。



合流新党代表選 「新しさ」どう打ち出す(2020年9月8日配信『秋田魁新報』-「社説」)

 立憲民主、国民民主両党などが結成する合流新党の代表選が告示され、国民の泉健太政調会長(46)と立民の枝野幸男代表(56)が立候補を届け出た。同時に党名を決める投票も行う。約150人が参加する野党第1党の「顔」と名前が決まる重要な代表選となる。

 安倍晋三首相の辞意表明とその後継選びに関心が集まってしまった感がある。きょう告示される自民党総裁選とも日程が重なり、合流新党の代表選はすっかり埋没してしまった格好だ。

 とはいえ、代表選は後継首相にどう対峙(たいじ)し、何を新党独自の政策として打ち出していくのかを伝える貴重な機会だ。泉、枝野両氏は共同記者会見を行って政策を訴えた。10日の投開票日まで短期間ではあるが、新党の将来像をしっかりアピールしてもらいたい。

 合流に参加する149人のうち88人は立民議員で新党内の最大勢力だ。国民の小沢一郎衆院議員や無所属の岡田克也元副総理ら有力者の支援も取り付けた枝野氏優勢は揺るがない。

 泉氏は「改革中道」や政策提案型の政治姿勢を主張。新型コロナウイルス収束までの消費税凍結や全国民へのワクチン無料接種を打ち出す。「民主党」の党名復活を提案している。

 枝野氏はコロナ禍で社会のひずみが露呈したとして「互いに支え合う社会」を提唱。消費税の時限減税などにより経済再生を図ると訴えた。党名は「立憲民主党」を掲げている。

 後継首相が総裁選の勢いに乗り、今秋にも衆院解散に踏み切るとの見方が浮上している。共同通信社が8月末に実施した全国緊急電話世論調査では、次期衆院選比例代表の投票先は自民党の48・0%に対し、立民は11・6%。国民の1・6%を足しても大きな開きだ。相当な危機感が必要な数字といえる。

 本県では合流新党結成に伴って、国民県連と立民県連が合流へ動きだしている。国民の緑川貴士氏(衆院比例東北)、無所属の寺田学氏(同)は新党に入党予定。昨年7月の参院選で自民党現職を破り初当選した寺田静氏(無所属)は当面参加しない考えだ。

 こうした地方組織、議員の動きに対して、新党に合流しない国民の玉木雄一郎代表らの動向が見えにくい。別の新党結成を目指すというが、類似した党名や選挙協力などで混乱が生じることがないか懸念される。

 合流する両党は2017年に旧民進党が分裂して誕生した。その源流ともいえる旧民主党も内紛の末、分裂している。代表候補が打ち出す新しい理念、政策はもとより、その結束力にも有権者が注視していることを忘れてはならない。

 将来的に政権を任せられる野党第1党が存在するのは望ましいことだ。合流新党の両代表候補は真摯(しんし)に政見を訴え、新たな政党をもり立てていく道筋を明確に示してもらいたい。



合流新党代表選 政権との対立軸競い合え(2020年9月8日配信『新潟日報』-「社説」)

 自民党総裁選が耳目を集める中で、埋没感は拭えない。それをはねのけるためにも、野党第1党をどうリードし、政権交代を狙っていくのか、国民の関心を引きつける充実した論戦を展開してほしい。

 衆院解散も取り沙汰される中で、政権との対立軸をどう描くのかを注視したい。

 立憲民主、国民民主両党などが結成する合流新党の代表選が7日、告示された。立候補を届け出たのは国民の泉健太政調会長と立民の枝野幸男代表の2人で、一騎打ちで争われることになった。

 党名投票も同時に実施される。投開票は10日で、4日間の短期決戦だ。新党に参加する国会議員による投票で決まる。

 新党には衆参合わせて149人が参加する予定だ。代表には、党をしっかりまとめ上げ、他の野党との連携を図るリーダーシップが求められる。

 泉、枝野両氏は、届け出後の共同記者会見で政権奪取への決意を語った。

 泉氏は「追及、批判だけではない政策を伝えられる野党を目指す」と主張した。

 枝野氏は、過度な自己責任論が格差や貧困の拡大をもたらしたとして、「命と暮らしを守る」と訴えた。

 ウイルス禍を踏まえ、泉氏は消費税凍結、枝野氏も消費税の時限減税を掲げた。

 党名について泉氏は「民主党」を提案する。かつて政権を担った名称にすることで「あえて過去の功罪を直視することが大事」としている。

 枝野氏は、自ら設立した「立憲民主党」を推す。数の力で押し切る自民政権と明確に異なる姿勢を表現するのにふさわしいとの理由からだ。

 泉氏が中道、枝野氏がリベラルとされ、それぞれ自民を意識しながら独自のカラーを打ち出しているといえる。

 代表選は、立民を中心に幅広く支持を集めている枝野氏の選出が確実視されている。しかし、論戦がおざなりにされるようでは困る。

 安倍晋三首相の辞任表明を受け、次期首相を事実上決める自民党総裁選が同時並行で行われる。安倍政権の継承を訴える菅義偉官房長官が、主要派閥の支持を集め圧倒的優位の情勢だ。

 代表選では互いに主張をぶつけ合い、自民党と対峙(たいじ)する最大野党として存在感を示さねばならない。

 立民と国民両党のルーツでもある旧民主党は政権与党時代、まとまりを欠いて迷走した。その後も離合集散を繰り返し、野党「多弱」の状況を招いた。

 安倍首相の辞任表明を受け、共同通信が実施した世論調査では、政党支持率は立民が10・2%、国民が1・9%だった。40%台の自民党には大きく水を開けられている。

 新党の政権担当能力を疑問視する国民が少なくないことを物語るものといえる。

 今回の論戦を通し、有権者の信頼回復につなげられるかも大きな焦点となろう。



台風と新党と民主主義(2020年9月8日配信『中国新聞』-「天風録」)

 威圧感は相当なものだった。台風10号の巨大な目である。洋上の雲の真ん中にくっきりと現れ、辺りをねめ回しながら九州の西を駆け上った。その衛星画像に恐怖を覚えた人も多かっただろう

▲こちらは果たして、政局の台風の目となり得るか。衆参両院の計149人が合流してスタートする新党の代表選がきのう始まった。政権交代の受け皿たり得る勢力へと育っていけるのかどうか。焦点はそこに尽きよう

▲同時に新党の名前も選ぶ。ただ、立憲と冠するか否かにかかわらず、与野党の第1党がいずれも「民主」の名を抱くことに変わりない。それは民主主義の国だから当然なのか。あるいは、この国のデモクラシーがまだまだ不十分なことの裏返しなのか

▲きょう告示される自民党総裁選も含め、政策論争をとことん聞かせてほしい。新党の方も党員やサポーターらの投票はない。国民を蚊帳の外に置き、それでも「民主」を名乗る。そんなちぐはぐさに陥らないためにも

▲台風の被害を受けた人に心からお見舞いを申し上げつつ、今回の強風がウイルスを吹き飛ばしてくれたと期待したくもなる。一日も早くコロナ禍が落ち着き、そうして国民の信を問う総選挙を。



台風一過(2020年9月8日配信『愛媛新聞』-「地軸」)

 台風一過。朝刊が届くころには、穏やかな空と海に戻っているだろうか。気象衛星の映像からも、恐怖を感じるほどに巨大な渦を巻いていた台風10号が去った

▲多くの人が危機感を持ち、前もって避難した。ただ、新型コロナウイルス感染防止策の影響で満員となる避難所が相次ぐなど、課題も浮上した。台風シーズンが続く中、解決策の検討を急ぎたい

▲政界では、与野党それぞれの勢力図が大きく変わる局面にある。立憲民主、国民民主両党などが結成する合流新党の代表選がスタートしたのに続き、きょう自民党総裁選が告示される

▲総裁選では「党の顔」が刷新され、事実上の首相選びとなる。候補者擁立で派閥の主導権争いが目に付いたが、3候補は政策をアピールし支持固めを図る。一方、立民と国民は「原発ゼロ」方針を巡る立場の違いで完全にはまとまらなかった。目指す政権交代ができる党となれるかどうかが焦点となろう

▲「1強多弱」の政治状況が長く続き、国会で論戦らしい論戦が聞かれなくなって久しい。激甚化する災害や新型コロナなど、国民生活に直結する問題の解決には、さまざまな意見に耳を傾ける姿勢の重要性が増している

▲台風一過には、大きな出来事が終結し、晴れ晴れするという意味もある。今回のリーダー選びが派閥争いや保身といった内向きの「渦」にとどまることなく、荒涼とした政治風景を変える「風」となることを切に願う。



合流新党代表選(2020年9月8日配信『宮崎日日新聞』-「社説」)

◆地方の声吸い上げる努力を◆

 立憲民主、国民民主両党などが結成する合流新党の代表選が7日、告示された。国民の泉健太政調会長(46)と立民の枝野幸男代表(56)による一騎打ちとなった。投開票は10日で4日間の短期決戦となる。党名投票も同時に行われる。

 安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選(8日告示、14日投開票)への注目度に比べ、埋没気味なのが気掛かりだが、野党第1党の新代表を選ぶ重要な選挙だ。政権交代の受け皿を担う立場であり、最大限の政策論議を尽くすことが求められる。

 合流を巡る迷走の末、新党に参加する国会議員は衆院106人、参院43人の計149人(立民88人、国民40人、無所属21人)となった。数の上では与党に対抗できる形だが、肝心なのは野党第1党としてその将来像をどう描くかだ。

 そもそも合流には、安倍政権が行き詰まりの様相を呈しつつある中で、野党の分立状態を解消し政権選択の衆院選に備える狙いがあった。安倍首相の突然の辞任表明を受け、早期の衆院解散・総選挙に警戒感が高まっており、次期衆院選に向けた態勢づくりが喫緊の課題だ。合流に参加しなかった残留組とのしこりを解消し、どう選挙協力の形を築くか早急に検討しなければならない。新型コロナウイルス感染拡大で深刻化した経済の浮揚策も急がれる。

 国民に存在意義と政策を浸透させなければならない急場にもかかわらず、代表選を国会議員だけで実施することへの批判はくすぶったままだ。新党に参加する国会議員149人が投票の「有権者」となり、全国の地方組織は票を持たない。地方の声を吸い上げる機会がなく、またそのことに疑念を持たない組織だというなら、次期衆院選への影響は必至だろう。

 全国一斉の党員・党友投票を実施しないことで「旧態依然とした派閥政治だ」などと批判を受けた自民党総裁選だが、それでも各都道府県連に地方票が分配された。394の国会議員票に比べて141と少ないものの、秋田を除く46都道府県連が予備選を実施し、持ち分3票の投票先を決める方向だ。こちらは少なくとも、地方の意向を反映させる仕組みを残している。

 新型コロナ禍で、地方の社会経済は深刻な打撃を受けた。感染状況が地域によって大きく異なるため、各自治体の裁量拡大へ期待が膨らんだ。知事や地方分権への注目が集まり、地方自治体の重要性が認識されるようになったともいえる。各政党はその潮流に見合う仕組みや体制になっているか、改めて考えてみてほしい。政治は東京・永田町だけで動くものではないことは重々承知のはずだ。



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