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二審も母親に懲役8年 目黒虐待死、東京高裁(2020年9月8日配信『日本経済新聞』)

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船戸結愛ちゃん

 東京都目黒区で2018年、船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5)を虐待し死なせたとして保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の優里被告(28)の控訴審判決で、東京高裁(若園敦雄裁判長)は8日、懲役8年とした一審東京地裁判決を支持、弁護側の控訴を棄却した。

 弁護人によると、優里被告は上告しない方針。

 弁護側は控訴審で、優里被告は結愛ちゃんの父親の雄大受刑者(35)=懲役13年の東京地裁判決が確定=から強い心理的支配を受けており、雄大受刑者による虐待を止められる状態にはなかったと主張。懲役11年の求刑に対して同8年を言い渡した1審判決は重すぎて不当と訴えて、刑を軽くするよう求めていた。

 一審判決によると、18年1月下旬から結愛ちゃんに十分な食事を与えず、雄大受刑者の暴行を知りながら結果的に容認。極度に衰弱していたのに医療措置を受けさせず、3月2日に肺炎による敗血症で死亡させた。

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(2019年2月22日配信『毎日新聞』)



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結愛ちゃん母親の控訴審 懲役8年確定へ 目黒女児虐待死(2020年9月8日配信『東京新聞』)

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七夕の会でスイカを食べる船戸結愛ちゃん

 東京都目黒区で2018年3月、両親に虐待された船戸結愛ゆあちゃん=当時(5つ)=が死亡した事件で、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の優里被告(28)の控訴審判決で、東京高裁は8日、懲役8年の実刑とした1審東京地裁の裁判員裁判判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。弁護側は上告しない方針。

◆東京高裁も1審を支持 弁護側は上告しない方針


 弁護側は控訴審で、1審判決は夫だった雄大ゆうだい受刑者(35)=同罪と傷害罪などで懲役13年の実刑確定=からの心理的DV(ドメスティックバイオレンス)の影響を過小評価しているとして、量刑不当を訴えていた。

 若園敦雄裁判長は判決理由で、優里被告が雄大受刑者に離婚を持ち掛けたり、不在の時に結愛ちゃんにご飯を与えたりしていたことを挙げ、雄大受刑者の心理的DVは「行動を支配し、逆らうことを全く許さないような強固なものではない」と認定し、懲役8年とした1審判決を「不当とはいえない」と結論づけた。

 控訴審では被告に出廷義務はなく、優里被告はこの日、法廷に現れなかった。判決後に取材に応じた弁護人よると、優里被告は判決前の接見で「どのような判決でも、上告はせずに受け入れたい」と話したという。

 1審判決によると、優里被告は雄大受刑者と共謀し、18年1月から結愛ちゃんに十分な食事を与えず、2月には雄大受刑者の暴行で極度に衰弱していたのに虐待の発覚を恐れて病院に連れて行かず、3月2日、肺炎による敗血症で死亡させた。2人は事件後に離婚した。(山田雄之)



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2018年3月、東京都目黒区で当時5歳の少女、結愛ちゃんが息絶えた。十分な食事を与えられておらず、父親から暴力を受けていたことによる衰弱死だった。警視庁は傷害容疑で父親を逮捕。6月に父親を保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕する際、母親・船戸優里も逮捕する。

本書は、2019年9月、第一審で懲役8年の判決を下された母親が、罪と向き合いながら綴った悲しみの記録である。

〈2018年6月6日、私は娘を死なせたということで逮捕された。いや「死なせた」のではなく「殺した」と言われても当然の結果で、「逮捕された」のではなく「逮捕していただいた」と言った方が正確なのかもしれない〉

〈結婚式直後のころと思う。結愛が床に横向きに寝転がっていた時、彼が思い切り、結愛のお腹を蹴り上げた。まるでサッカーボールのように。私の心をおおっているものにひびが入り、ガラガラと音を立てて崩れ落ちた〉

〈私は、正座しながら説教を受け、それが終わると「怒ってくれてありがとう」と言うようになった。(略)私にとって説教とは叱られて終わりではなく、その後、彼に納得のいく反省文を提出し、許しをもらうまでの流れをいう〉

【編集担当からのおすすめ情報】
虐待事件の当事者が、手記という手段で、家庭崩壊の過程や苦悩を綴るのは、極めて珍しいことです。

なぜ、夫の暴力を止めることができなかったのか。
なぜ、過酷な日課を娘に強いたのか。
なぜ、やせ衰えた娘を病院に連れて行かなかったのか。
なぜ、誰にも助けを求めなかったのか。

その答えが本書にあります。
手記を読めば、船戸優里被告は、娘の虐待死において加害者でありながら、夫の執拗な精神的DVによって心がすり減らされていった被害者であるという事実に気がつくはずです。

本書には、虐待事件を精力的に取材してきたルポライターの杉山春氏の解説、そして公判前に優里被告を診断した精神科医の白川美也子氏の診断書(意見書)も巻末に収録しています。手記と併せてご覧いただければ事件の背景が深く理解できると思います。

本書を通じて、児童虐待とDVの実相を知っていただくことで、こうした悲劇が今後二度と起こらないようにすることが筆者、そして出版社の心からの願いです。

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“結愛ちゃん虐待死事件”高裁も母親に懲役8年 「司法は母親に責任を押し付けている」の声も(2020年9月8日配信『AERA.com』)

「主文、控訴を棄却します」

 8日午後2時過ぎ、東京高裁102号法廷。若園敦雄裁判長は裁判の冒頭こう述べ、一審の東京地裁判決を支持した。

 2018年3月、東京都目黒区で、5歳の船戸結愛(ゆあ)ちゃんが虐待で命を落とした事件。

 結愛ちゃんを虐待死させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の優里被告(28)に対して、東京高裁も一審を支持し、懲役8年とした。

「もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」。住んでいた自宅アパートで見つかったノートに書き残された、結愛ちゃんが両親に許しを請う幼い言葉は、社会に深い悲しみと衝撃を与え、親による子への体罰を禁じる法改正のきっかけとなった。

 結愛ちゃんが亡くなって2年6カ月。当時の夫の雄大受刑者(35)も同罪に問われ、虐待を主導したとして昨年10月、懲役13年の判決が確定している。

■虐待の背景が裁判の争点

 一方で優里被告は、昨年9月、一審で懲役8年が言い渡されたが、それを不服として東京高裁に控訴していた。

 この日、優里被告は出廷せず、傍聴人だけが見守る中、裁判は行われた。今回の裁判で争点となったのは、虐待の背景としてあったとされる心理的DV(ドメスティックバイオレンス)だ。優里被告は、雄大受刑者の支配下にあったとされる。

 裁判の過程で、優里被告は雄大受刑者からの執拗な心理的DVを受け、洗脳されたような状態になり、次第に反発できなくなったことがわかっている。

 弁護人によれば、一家が香川県に住んでいた時、優里被告は雄大受刑者から結愛ちゃんへのしつけについて、連日数時間にわたって説教されるなどし、こうした「心理的DV」を受けるうちに優里被告は抵抗する気を失い、「怒ってくれてありがとう」と自分から言うまでになった。そして、優里被告が強いDVを受け続け、急性ストレスで記憶を喪失するなど「結愛さんの身に起きていることを、現実感を持って受け止めることができなかった」という。

「この夫婦の関係性のなかで…」

 今年7月に開かれた控訴審第1回公判では、弁護側は「一審は夫の心理的DVの影響を過小評価し、重すぎる」として量刑不当を主張、懲役5年が相当としていた。

 しかし、先の若園裁判長は、約30分にわたる判決理由の中で、

「(優里)被告は雄大の心理的影響があったとしても、結果的に雄大の意向を容認したことになる。被告は深く悔やみ反省していることを考慮しても、最終的に自分の意志に従っていたといわざるを得ない」 などと述べた。

■支援を求められない社会システム

 判決を受け、DV被害者の支援団体「エープラス」(東京都)代表理事の吉祥眞佐緒(よしざきまさお)さんは、

「この夫婦の関係性の中で、母親が一人で子を守ることは難しい」と指摘。問題は、母親が支援を求められない社会システムにあり、母親に責任を押し付ける司法にあるという。

「心理的に支配されていた母親にその役割を求めること自体、司法がDVを理解していない証拠。行政などの支援機関も、母親がどうして支援を受けられなかったのかを考えてほしい。制度や法律が1日も早く被害者と子どものために運用されることを望みます」(吉祥さん)

 裁判を傍聴した、自らも夫のDVに苦しめられた経験があるという都内在住のシングルマザーの30代女性はこう話した。

「夫に逆らえなくなったという、優里被告の気持ちもわからなくありません。でも、子どもが亡くなったことを重く受けて止めてほしい」

 過ちは、誰でも起こし得る。その過ちとどう向き合うか優里被告にも問われることになる。結愛ちゃんは、生きていれば小学2年生だった。(編集部・野村昌二)

※AERAオンライン限定記事






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