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自民総裁選3候補の演説を分析 菅氏は「生い立ち」に力点(2020年9月9日配信『東京新聞』)

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 8日に告示された自民党総裁選で、石破茂元幹事長、菅義偉すがよしひで官房長官、岸田文雄政調会長の3候補は所見発表演説会に臨んだ。1人20分という限られた時間の中で、どこに力点を置き、何を訴えたのか。政治姿勢や政策から、安倍晋三首相との距離感やライバルへの対抗意識が浮かんだ。(村上一樹、山口哲人、川田篤志)

◆賛辞

 「7年8カ月にわたって首相の重責を担った安倍晋三総裁に敬意を表明し、最大限の賛辞を贈らせていただきたい」
 安倍路線の継承を掲げ、党内5派閥の支持を受けて優位に立つ菅氏。この日も冒頭から「後継者」の立場をアピールし、官房長官として経済再生や外交、コロナ対策に取り組んできたことへの自負をにじませた。

 最優先の課題としてコロナ対策と社会経済活動の両立を掲げ「空白は許されない」と強調。独自性も意識し、不妊治療への保険適用や行政のデジタル化を進める「デジタル庁」の新設など自らの政策も掲げた。

 石破、岸田両氏との違いを際立たせようと時間を割いたのが「たたき上げ」の生い立ちだ。2人とも父親が政治家の世襲であることを念頭に、秋田の農家の長男として生まれ、上京後に町工場で働いた経験を紹介。「私のような普通の人間でも、努力をすれば首相を目指すことができる」と力説した。

◆信頼回復

 菅氏と対照的だったのは、安倍首相と距離を置いてきた石破氏だ。名指しこそ避けながらも政権批判を展開。「グレートリセット」との表現で、国の設計図を書き換えると踏み込んだ。

 「平成で民主主義が大きく変質を遂げた」と指摘。軍部が国民に正確な情報を伝えないまま、第2次世界大戦に突き進んだ悲劇に触れ「正しい情報が有権者に与えられなければ民主主義は機能しない」と信頼回復の必要性を訴えた。森友・加計かけ学園問題を意識した発言とみられ「特定の人だけが利益を受けることを政府がやって良いはずがない」とも強調した。

 コロナ対策でも「医療現場が逼迫ひっぱくしていないとの認識はない」と政府見解に反論。河井克行前法相夫妻への1億5000万円の支給問題を念頭に「党の金をどう使ったかを国民に示すため、政党法制定が必要だ」と畳みかけた。

 アベノミクスも「格差が拡大していないか」「一部の人だけに利益が及んでいないか」と疑問視。石破氏を支持する中堅議員は「総裁選に政治家人生を懸けている」と評した。

◆差別化

 安倍政権で外相や政調会長を務めた岸田氏。石破氏より首相批判のトーンは低かったが「自分でなくチームの一人一人を輝かせるリーダーを目指したい」と宣言し、分断をいとわないトップダウン型でなく、国民の声に耳を傾ける協調型を標ぼうした。

 コロナで所得格差が広がったと指摘して、税制の見直しなど富の再分配を促すと主張。中間所得層に向けた教育費や住宅費の支援を打ち出すなど、格差是正に力点を置いた。

 総裁選後に予定される内閣改造・党役員人事を念頭に「オール自民党でチームを組む」とアピール。派閥からの推薦を受けない考えを示す菅氏と差別化を図りたい思いをにじませた。




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Author:gogotamu2019
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