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インフルとコロナ かかりつけ医での検査に道(2020年9月10日配信『北国新聞』-「社説」)

 石川県と県医師会が新型コロナウイルスの検体をかかりつけ医でも採取できる契約を結んだのは、インフルエンザと新型コロナの同時流行が懸念される冬場に備えるためである。

 季節性インフルエンザは初期に発熱やせきを伴うという点で新型コロナとの判別が難しい。流行期を前に、医療機関での受け入れ態勢を万全にしておく必要があり、かかりつけ医での検査に道が開けたのは心強い。

 厚生労働省は今月、インフルエンザの流行に備えて、発熱がある場合には、身近な医療機関に相談できる体制を整えるよう自治体に通知した。石川県はこれに先んじて、県内約230の診療所で、症状が似た二つの感染症の検査ができる体制を整えた。県民にとっては大きな安心材料であり、関係者の努力に敬意を表したい。

 石川県では、これまでの6倍以上となる1日当たり最大1500件のPCR検査が可能になる。急な発熱があっても慌てずにかかりつけ医に相談し、速やかに検査が受けられるようになるだろう。

 富山県もPCR検査を1日当たり最大1200件まで対応できるよう準備を進めている。こちらも最寄りの医療機関で検体を採取できる仕組みづくりを急ぎたい。

 最重要の課題は、かかりつけ医や通院患者の感染予防だ。発熱のある患者に事前連絡を求めた上、来院する時刻を指定したり、他の患者と待合室や玄関で接触しないよう動線を分ける必要がある。

 医師や看護師は防護服やマスクの着用、消毒の徹底が求められる。石川県と県医師会は、検査の流れを示したフローチャート(手順図)を作成しており、実効性と安全性を高めてほしい。

 飛沫感染を防ぐため、唾液を使ったPCR検査や、鼻をかんで採取するインフルエンザの検査の導入など、検査方法も工夫したい。

 懸念されるのは、検査を担う診療所への風評被害である。「陽性患者が出た」などの噂が飛び交い、診療を敬遠するような事例が続出すれば、全県を網羅した検査体制を揺るがしかねない。風評被害で損をするのは県民自身だということを肝に銘じておきたい。



コロナとインフル対策(2020年9月10日配信『福井新聞』-「論説」)

同時流行への備えが急務

 政府は、今冬の新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行による病床逼迫(ひっぱく)を防ぐための対策などをまとめた。これまでコロナ感染者には原則、入院勧告している感染症法の運用を見直し、病床は重症患者用とし、軽症・無症状者にはホテルや自宅での療養を徹底するという。

 新型コロナは感染症法で危険度5段階のうち2番目に高い「2類相当」とされている。感染者には入院を勧告し、それに従ってもらうのが原則だ。しかし、それゆえ感染者の急増は医療機関や保健所の負担を重くし、医療崩壊を招きかねない事態にもなってきた。

 そうした中、症状が見分けにくいインフルエンザ患者が増えてくれば、あっという間に病床は逼迫しかねない。コロナ感染者の8割は軽症・無症状のまま治癒し、重症化する人は2割という現状からは限られた医療資源を重症者に手厚く振り向ける策は妥当だろう。

 ただ、第1波では埼玉県で軽症とみられる感染者が自宅療養中に症状が悪化し、死亡するケースが相次いだ。同県は自宅から原則、ホテルでの療養に切り替えたものの、ホテルでの宿泊を拒む人が続出したという。自宅で療養する場合、家族への感染が懸念され、そうした軽症者らへのフォローも欠かせない。

 加えて、今回の見直しで検査などに自己負担が生じることになれば、感染者の協力はさらに得られなくなる恐れがある。大野元裕埼玉県知事は「対応する法的権限が知事になくなる」と危惧している。政府にはそれぞれの地域事情に配慮した体制づくりが求められ、そのためにも地方との意思疎通を深める必要がある。

 政府は抗原簡易キットによる1日20万件の検査能力を確保する方針も示しているが、具体的な進展は見えてこない。インフルエンザの流行期は12~2月ごろとされるが、昨年は例年より1カ月早い11月に流行期を迎えており、秋冬対策は待ったなしの状況にある。

 そんな中、福井県は県医師会と連携し、地域の医療機関でコロナ、インフル双方の抗原検査を1日2200件余り実施する方針を明らかにした。従来のPCR検査数を合わせると1日3千件の検査が可能になる。

 県はこうした対策費を含め432億円余の9月補正予算案を計上。一方で財源として財政調整基金を13億円取り崩すなど財政悪化も気がかりだ。地域の医療機関での検査にしても研修などの準備は欠かせない。第2波による病床の逼迫も見逃せない。

 政府は軽症者対応や検査数増などを急ぎ具体化し、体制づくりへの財政支援も行うべきだ。新政権に委ねるつもりなら、「後手」批判が再燃しかねない。





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