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<自民党総裁選の候補者のビジョンは 東京工業大・中島岳志教授に聞く(上) >

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記者会見で総裁選の政策集を発表する自民党の石破茂元幹事長

 自民党総裁選に立候補している石破茂元幹事長(63)、菅義偉官房長官(71)、岸田文雄政調会長(63)。どんな政策で、国をどこに導こうとしているのか。政治家の著作や発言などから特徴を分析した著書「自民党」がある東京工業大の中島岳志教授(政治学)に3氏の政治手法やビジョンを聞いた。届け出順に紹介する。(三輪喜人)

◆安倍路線と対峙

 前回の総裁選で安倍晋三首相と一騎打ちをした石破氏。外交・安全保障に詳しい「軍事オタクのタカ派」のイメージがあるが近年、ハト派的な政策を強く打ち出している。

 「ひとりひとりの居場所がある社会を作りたい」。総裁選を通じてこう語っている石破氏。「納得と共感の政治」を掲げ、政策集では「福祉社会の実現」や地方や低所得者を支援する「ポストアベノミクス」を打ち出した。

 中島さんは「格差の是正や福祉社会を目指すことで、安倍路線と対峙する姿勢を鮮明にした」とみる。

◆保守本流?のスタンス

 中島さんによると、石破氏は、自助努力や自己責任、規制緩和を推進する小泉純一郎内閣(2001年4月~2006年9月)の構造改革路線を支持してきた。しかし、小泉改革の果てに、格差社会や地方の疲弊を招いたことへの反省から、近年態度を変化させたという。

 自己責任からセーフティネットを強化する政策に舵を切ったことで、政策の立ち位置が自民党の中核を担ってきた保守本流といわれるポジションと重なる。従来は、池田勇人や宮沢喜一など、今回の総裁選に立候補している岸田文雄氏が会長を務める宏池会のスタンスだ。

 「岸田氏が宏池会と思想的には対局にある安倍政権の政策と歩調を合わせたことで、政策がぶれてしまった。自民党員の支持が厚いゾーンが空き、石破氏がうまく飛び込んだ」と中島さんは分析する。

◆安全保障政策が大幅に変わる可能性

 また今回、菅義偉官房長官は安倍路線を継承すると明言。石破氏は「国会運営でも野党の知恵を借りる」などとして、国会軽視と言われた安倍内閣との対決構図をはっきりさせた。総裁選を通じて、選択的夫婦別姓に賛成など、リベラルな価値観を強調している。

 石破氏は、アジア版NATOの創設を提唱している。日米地位協定の見直しや沖縄から米海兵隊の撤退を主張してきた。中島さんは「首相になれば、外交や安全保障政策の在り方が大幅に変わるだろう」と指摘する。

中島岳志(なかじま・たけし) 1975年大阪府生まれ。京都大大学院博士課程修了。専門は南アジア地域研究、近代思想史。『中村屋のボース』で大佛次郎論壇賞などを受賞。


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Author:gogotamu2019
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