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自民党総裁選に関する論説(2020年9月11日)

自民党総裁選 経済・財政政策 負の側面認めて転換を(2020年9月11日配信『北海道新聞』-「社説」)

 新型コロナ禍で落ち込む経済を立て直し、国民の暮らしとその基盤である雇用を守る―。次の首相に就く新総裁は重い責務を負う。

 当面は倒産や失業の食い止めが最優先だが、それだけでは経済再生はおぼつかない。先を見据え、誰もが生活の底上げを実感できる成長に導く戦略が必要だ。

 だが安倍政権の経済政策はコロナ以前から行き詰まっており、格差拡大など重いツケが残された。アベノミクスの弊害を率直に認め、転換を図らなければならない。

 アベノミクスで円安株高が進み大企業や富裕層を潤したが、国民の多くには恩恵が及ばなかった。

 財政出動は借金の山を築き、日銀の大規模金融緩和はその穴埋めに紙幣を刷るかのような状態で、「出口」は遠のくばかりだ。成長戦略も看板倒れに終わった。

 それなのに菅義偉官房長官は「しっかりと引き継ぎ、前に進める」と政策の継承を明言する。

 非正規雇用の増加など負の側面には一切触れず、これでは全く問題がないと言うのも同然だ。現実を直視しないと、展望もなくその場しのぎの対応を重ねかねない。

 これに対し岸田文雄政調会長は「成長の果実が中間層や中小企業、地方に分配されていない」と格差是正を唱える。石破茂元幹事長も「一部の人だけに利益が及んだ」と低所得者の収入増を訴える。

 問題はどう実現するのかだ。具体策を掘り下げる必要がある。

 成長戦略について、菅氏は訪日観光客の増加や農産物輸出の推進を掲げる。外国人客に依存する観光振興や、高額農産品の海外需要頼みがコロナ下で通じるのか。

 中小企業の再編にも言及しているが、雇用全体の7割を守ってきた中小企業が淘汰(とうた)されることになれば経済基盤が崩れかねない。

 市場競争を重視する相も変わらぬ新自由主義的な発想はさらなる格差拡大を招くと心得るべきだ。

 一方、岸田氏はデジタル化推進で地方の生活向上を、石破氏は東京一極集中の解消で地方の雇用・所得改善を主張している。内需が主導する力強い地域経済の礎を築く政策論争が求められる。

 見過ごせないのは、コロナ禍で冷え込む消費や景気の喚起策を各候補がほとんど語らないことだ。感染抑止とどう両立させるのかを含め、丁寧に説明してもらいたい。

 先進国で最悪水準の財政や、安心につながる社会保障制度改革についても、国民の不安に寄り添い、議論を深めるべきだ。



闘う政治家(2020年9月11日配信『愛媛新聞』-「地軸」)

 「闘う政治家」と「闘わない政治家」。政治家を見るとき、こう分類しているという。辞任を表明した安倍晋三首相が著書「新しい国へ」で持論を述べている。首相が「闘う政治家」を理想としたのはよく知られる

▲対して「闘わない政治家」とは、「あなたのいうことは正しい」と同調するものの決して批判の矢面に立とうとしない人と定義する。首相は、否定的に位置付けた「誰かに同調するだけの人」が周囲に多いと感じていないだろうか。自民党内で自由に意見を述べ合う風潮が薄れたと言われるようになって久しい

▲その自民の新しいリーダーを決める総裁選が始まった。立候補した3氏はそれぞれ「納得と共感」「継承」「分断から協調へ」を掲げる。新型コロナウイルス対策をはじめとした多くの課題で持論を詳しく聞きたい

▲告示後、3氏の討論を何回か聞いたが、主張を一方的に訴える場面が多い。形式や時間の制約はあろう。ただ議論をもう少し深められないのか

▲相手の意見を尊重する議論をしてほしい。近年異論を許さない政治を見てきたから余計に思う。最近の首相は、記者会見を開かなかったり、国会答弁を閣僚に任せたり、批判から逃げる姿勢も目立つ。それはかつて自身が戒めた姿勢ではないか

▲選挙で自民は長期政権の総括をする必要がある。「闘う政治家」の集団であろうとするならば、自らの負の遺産にも逃げずに向き合ってもらいたい。



自民の多様性、幅の広さ守ってきた2人(2020年9月11日配信『日刊スポーツ』ー「政界地獄耳」)

★自民党総裁選挙は既に食傷気味だが党幹事長・二階俊博が官房長官・菅義偉に「総裁選に出れば勝てる」と背中を押したのは政調会長・岸田文雄や元幹事長・石破茂なら負けないと思ったからだろうが、自民党の多様性や幅の広さはこの2人によって守られていたといっても過言ではない。菅支持者は派閥力学や安倍政治の継続性、面倒見てもらったなどの関係性を最大の支持理由にするが、そもそも党のビジョン、大計(大規模な計画)などなく、目先の景気対策やコロナ対応、新しい省庁の設置などを掲げている時点で政策でもなんでもない。

★政治に対しての志や夢はどの程度語られたか、政治家とは何か。自民党とは何か、歴史認識にまで言及した石破。コロナ禍をはじめ、今日の格差社会にまで話を進めた岸田は安倍政権へ一定の評価を与えたものの、格差の元凶が新自由主義にあることを遠回しに示唆した。普段聞くことのできないベテラン政治家たちの演説は選挙演説とも違い、また政局の講演会とも違い迫力と今を映し出す。

★一方、菅は所信表明のような総花的な演説を原稿に沿って読み続けた。ここが安倍政治の継承であるならば、継承をはき違えているとしか思えない。一足先に代表に選出された“新”立憲民主党代表・枝野幸男は選出直後の会見で菅が総裁選挙の政策に掲げた「自助・共助・公助」を皮肉り「目指していく社会は自助や過度な自己責任ではなくて支え合う社会をつくっていくと。自己責任から支え合う社会へと。そうした社会に向けて頑張っていきたい」とした。石破派の後藤田正純はツイッターで「日本の『正義』とは」と問い「森友問題 メディアは真実を追求しているか 命をかけた正義の抗議が日本に、日本人に、『正義とは何か』を語りかけているのに」とつづった。内政も外交もメディアとの対峙(たいじ)も自民党は平和や正義を正面から語らなくなったが、慣れ親しんだ安倍政治の手法に変化が生まれるか否かの議論が遅まきながら政界では胎動し始めた。






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